壱 ページ3
「…キャアアアアアアア!!!???」
「ふ、服!服!服!」
「何で!?何で!?助けて!!」
もう、恥ずかしいやら何やらでパニックになりながら、手で体を隠し必死に叫ぶ。
煉獄さんは転がり落ちそうな私に、さっと羽織を拾って掛けてくれて、まるで赤ちゃんにする様に背中をポンポンと叩いてまた抱き留めてくれた。
やっと、少し落ち着いてギュッと羽織を掴みながら涙目で見上げると、
「ふむ…見た所物の怪のたぐいでもなさそうだが…」
「見た所っ!??」
「あ!いや!然と見た訳でもないが!
君は一体何者だ?」
と、煉獄さんも少し顔を赤らめながら私に尋ねる。
私は、指から流れた血に、指の痛みに、肌に触れる風に
『これって、現実?』
と、青ざめた。
こんな人物は、物語には出てこない。
いや、映画を見た私が夢で、こちらが現実だったの?
分からない!分からない!
「何とか言いやがれ!」
イライラとした口調で、不死川さんが私を睨む。
困ってしまって
「…私は一体?」
と聞くと、胡蝶さんが
「あなたは、私達の目の前に突然に現れたんですよ。
何も覚えていないのですか?」
と、教えてくれる。
信じたくは無いけれど、もしかしたら物語の世界に迷い込んでしまったのかもしれない。
何でそうなったのかはさっぱり分からない。
でも、その理由はきっと…
良いのだろうか?
私にできるのだろうか?
ドクンドクンと心臓がやけに大きな音で鳴る。
そっと煉獄さんの腕の中から地面に降りる。
…足の裏に当たる石の感覚も、これが現実だと告げる。
意を決して口を開く。
「ここは産屋敷邸でしょうか?」
と言うと、みんなが驚いた顔をする。
そりゃそうよね。
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華(プロフ) - honey milkさん» あとは文字数制限ギリギリのお話があるので、色々追加出来ないと言うのもあります。沢山のご指摘、質問ありがとうございました。何せこのお話は最初の作品で勢いで書いた所が多いので、至らぬ点が多々あるかと思いますが温かく見て貰えると嬉しいです☺️ (2021年11月6日 1時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - honey milkさん» 壱拾肆:(照)→夢主が現れた時に何も持ってない「裸」だった事を思い出して恥ずかしがってると言う事です。 ☆*:以前コメントで、「〜side」を付けてほしいとあったのですが、私が台本書きはしっくり来ないのでタイトルにつけました。 (2021年11月6日 1時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - honey milkさん» 章名について:呼吸の数字か旧漢字だったので、それに揃えてます。書き始めた頃、こんなに長くなる予定ではなかったので…本編分に関しては一応完結してるので、章名は変更する事を今は考えてません。 (2021年11月6日 1時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - honey milkさん» 壱、肆、拾:脱字、変換ミス、誤字です。訂正しました。 壱拾弐:「取り付く島(漢字にしますね)もない」で正しいです。言った事を聞き入れてもらえない、みたいなニュアンスです。 (2021年11月6日 1時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - honey milkさん» honey milk様、沢山のコメントありがとうございます(*´ `)細かい所まで見て下さっててとても嬉しいです。指摘も章名があるので分かりやすくて助かりました! ご指摘について、以下回答です。 (2021年11月6日 1時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華 | 作者ホームページ:
作成日時:2020年10月28日 10時