プロローグ ページ2
目を閉じた瞼に光が当たる。
心なしか寝心地もいつもと違う。
『…眩しい…?
昨日はどこで寝たんだっけ?』
まだ眠たい目を擦りながら目を開けると、自分の顔を覗き込んでいる炎の様な赤い目と目があった。
しかも、横抱きで腕の中にいる。
『!?』
目をギュッと瞑って、寝起きのまだ働かない頭で必死に考える。
昨日は確か無限列車の映画を見て、号泣して、家に帰って、本を最初から読み直して、そのまま寝てしまった…はず。
目の前に居たあの赤い瞳の人は、映画で見た、本で読んだあの人そのものだった。
……
覚悟して、そっともう一度目を開けると、やっぱりアノ人…『煉獄杏寿郎』その人が私を見下ろしている。
心臓がドドドッと早鐘を打つ。
これは…夢?
…そうだ、そうに違いない!
「そうか夢か〜!」
なんて珍しい明晰夢。
大好きな煉獄さんが居るなんて、幸せ過ぎる!
夢と分かれば怖くない。
ギュッと抱きついて、心臓の音を確認する。
煉獄さんはビクッと固まる。
「…良かった、生きてる。」
嬉しくて涙がポロポロと溢れる。
そうそう、昨日は黎明に散った煉獄さんを、どうにか助ける事は出来なかったのかと考えながら寝ちゃったんだった。
きっとだから、こんな夢を見てるんだなぁ。
しかも、本当にリアル!
抱きしめてる感覚も本物みたい。
幸せ!いい匂い!
あぁ、目が覚めても覚えています様に…
「テメェは何もんだァ!
何処から来やがったァ!」
ドスの効いた声に目を開けて、改めて周りを確認すると刀を抜いた不死川実弥が、私の首に刀を向けていた。
「鬼…では無さそうですねぇ。」
「派手に現れやがったなぁ?」
広い庭に、胡蝶しのぶ、宇髄天元、悲鳴嶼行冥、冨岡義勇が揃っていてこちらを訝しげに見ている。
みんなが揃っているから、おそらく柱合会議でも行われるのだろう。
私の夢のくせに、何故か私が文句を言われてる。
映像もクリアで現実みたい。
目の前の刀もギラリと緑色に光っていて、よく切れそう。
『きれいだなぁ…』
何気なく手を伸ばして、刃を指をつつ…と撫でると、ポタポタッと指から赤い血が落ちた。
「…ッ!」
痛い!!
痛い!!?
何で!!?
慌てて身を起こし、その拍子に煉獄さんの腕の中から転げ落ちそうになる。
ハラリ
嫌な予感がして下を見ると、私の上に掛けられていたであろう煉獄さんの羽織が落ちて、全裸の体が陽の光に晒された。
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華(プロフ) - honey milkさん» あとは文字数制限ギリギリのお話があるので、色々追加出来ないと言うのもあります。沢山のご指摘、質問ありがとうございました。何せこのお話は最初の作品で勢いで書いた所が多いので、至らぬ点が多々あるかと思いますが温かく見て貰えると嬉しいです☺️ (2021年11月6日 1時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - honey milkさん» 壱拾肆:(照)→夢主が現れた時に何も持ってない「裸」だった事を思い出して恥ずかしがってると言う事です。 ☆*:以前コメントで、「〜side」を付けてほしいとあったのですが、私が台本書きはしっくり来ないのでタイトルにつけました。 (2021年11月6日 1時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - honey milkさん» 章名について:呼吸の数字か旧漢字だったので、それに揃えてます。書き始めた頃、こんなに長くなる予定ではなかったので…本編分に関しては一応完結してるので、章名は変更する事を今は考えてません。 (2021年11月6日 1時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - honey milkさん» 壱、肆、拾:脱字、変換ミス、誤字です。訂正しました。 壱拾弐:「取り付く島(漢字にしますね)もない」で正しいです。言った事を聞き入れてもらえない、みたいなニュアンスです。 (2021年11月6日 1時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - honey milkさん» honey milk様、沢山のコメントありがとうございます(*´ `)細かい所まで見て下さっててとても嬉しいです。指摘も章名があるので分かりやすくて助かりました! ご指摘について、以下回答です。 (2021年11月6日 1時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華 | 作者ホームページ:
作成日時:2020年10月28日 10時