参 ページ39
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はっと川の方を振り向くと、沢山の小さな青白い光がゆらゆらと点いては消え、消えては点き、やがてそれらは呼吸を合わせる様に、同じ周期で点滅を繰り返し始める。
「……ぅわぁ……」
思わずその幻想的な光に誘われる様に川辺へと歩を進め、小さな光に手を差し伸べるけれど、ゆらゆらと彷徨うそれらの光は私の指の間をすり抜けて飛んで行ってしまう。
「綺麗だろう?」
「うん、すっごく綺麗……」
「ほら、取ってきてやろう」
杏寿郎が一瞬目の前から消えた。
かと思うと、ふっと現れる。
杏寿郎が閉じた手のひらをそっと開くと、そこからゆらゆらと沢山の蛍が舞い飛んだ。
その光を目で追って視線を上げると、柔らかな光に照らされた杏寿郎の顔が向かいに見えた。
「杏寿郎……綺麗」
「そうだろう!
これは蛍と言うんだぞ」
蛍の光も綺麗だけど、その淡い光に照らされた杏寿郎こそが、もの凄く綺麗だと思った。
相変わらず、胸はドキドキとしっぱなし。
その顔を見ていると、するりと言葉が口から漏れた。
「杏寿郎、ありがとう。
大好きだよ」
「ああ!
俺もAの事が好きだぞ!」
杏寿郎はそう言って、にこりと笑う。
いつもの様に言ったつもりだった。
それなのに、自分の発した言葉が自分の内に跳ね返って、心の中にストンと落ちる。
……そう、私は杏寿郎が大好きなんだ。
そう思って杏寿郎の顔を見ると、また胸がキュッと痛んだ。
好き
好き
好き
杏寿郎が、好き
そう思う度に、キュッと痛む私の胸。
――そうか
この胸の痛みは、“好き”が胸の中に納まりきれなくて、溢れ出てしまった時の痛みなんだ。
「大好き」
そう気付いて、改めて言葉にすれば呼応する様に胸がキュッと痛む。
千寿郎とは確かに何かが違う”好き”が、胸から溢れ出す。
杏寿郎だけに感じる、特別な“好き”
その時、突然心の中で何かが弾けた。
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華(プロフ) - 龝さん» あきちゃん、コメントありがとうです(*´ `)もう、夢主ちゃんにグイグイ押されてコン寿郎はタジタジです(*´艸`)真っ赤になる兄貴は可愛らしいですよね(*//艸//)いえいえそんな…!お恥ずかしい(汗)素敵なコメントありがとうね! (2021年6月24日 12時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
龝(プロフ) - 華さん、第二部、お疲れ様でした!m(_ _)m垂れた前髪の隙間から見える兄貴の赤面には萌えますね…!(*´∇`*)第三部がとても楽しみです…!またまた情景描写に心打たれることでしょう…!更新、お疲れ様でした!m(_ _)m (2021年6月24日 10時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - 彩乃さん» ゆめこさん、コメントありがとうです(*´ `) 本当にあっという間ですね(汗)何故でしょう…?きっと兄貴は、自分に対して言い訳をして思い込もうとしてるんです。頭を垂れたのはどうしてでしょうか…?(*´艸`)いつも沢山ありがとう! (2021年6月23日 18時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - 衣世さん» 衣世様、お久しぶりです(*´ `)今は全体で言うと、起承転結の転位のイメージですのでもうしばらくお付き合い下さいね(*´∀`*)子狐ちゃん頑張りました。衣世様にドキドキをお届け出来て嬉しいです(*´艸`)コメントありがとうございました! (2021年6月23日 18時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
彩乃(プロフ) - 華さん、第二章お疲れさまでした!!なんだかあっという間に感じます……笑 狐ちゃんの想いが兄貴に届くといいですね!忘れられないのは仕方ないけれど、兄貴もヤキモチ妬くくらい好きなんでしょうから笑 吸血鬼も面白そうですね! (2021年6月23日 10時) (レス) id: 555a9d3211 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=punishop
作成日時:2021年4月24日 10時