182 ☆* ページ39
*
「A？
居るのか？」
こんな暗闇の中に人が居るとは思えないが、一応確認の為に部屋の電気のスイッチを入れる。
真っ暗だった教室の中が一気に明るくなって、その眩しさで思わず眉をしかめた。
周りを見渡すと教室の中央には大きなダンボールのドームが堂々と鎮座していて、その入り口から人の足が覗いているのが見えた。
「Aっ！？」
俺は慌ててドームに駆け寄り、その中を覗き込む。
そして、安堵のあまりへなへなと床に座り込んだ。
ドームの中では、Aがスクリーンに映し出された星空の下、床に寝転んですやすやと寝息を立てていた。
その呑気な寝顔に、思わず苦笑いを漏らす。
「まったく人の気も知らないで……
すごく心配したんだぞ」
俺はその横に潜り込み、横向きに片肘を付いて頭を支えて彼女の寝顔を見つめた。
本当に、君ときたら……
久しぶりに見る愛しい人の寝顔をしばらく堪能して、起こそうとした時
「……煉獄……A……」
と彼女の寝言が聞こえた。
ハッと彼女の顔を見ると、むにゃむにゃ言いながらニマニマと笑顔を浮かべている。
何の夢を見ているのか、ものすごく気になるがこれ以上帰宅が遅くなる訳にもいかない。
「A、ほら起きろ。
A」
頭をそっと撫でながら声をかけると、眠たそうに眉をしかめAの目がうっすらと開いた。
「……杏寿郎さん……？」
彼女はそう言うと、俺の胸に顔を寄せてまた目を閉じる。
懐かしい呼ばれ方に、胸がドクンと脈打つ。
俺はそっと彼女を抱き締めて、その頭に頬を寄せ髪に触れた。
多分……昔の夢とごっちゃになっているんだろうが……
かなり名残惜しいが、Aの母上が心配している。
俺は息をすぅと吸って溜息をつくと、彼女の背をポンポンと優しく叩く。
教師という立場は、本当に色々面倒だな。
「ほら、A。
このままで居たいのは山々だが、君の母上も心配している。
送るから早く帰ろう」
「……ん……」
再び開いた目が、ゆっくりと俺に焦点を合わせた。
彼女はしばらくぼんやりと俺を眺めていたけれど、突然目を見開きパッと飛び起きる。
相変わらずその寝起きが悪い様子を見て、俺は思わず笑ってしまった。
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華(プロフ) - ゆいさん» ゆい様、いつもコメントありがとうございます(*´ `)うわああぁ、そんなふうに言ってもらってすごく励まされます！これからも拙い文章ですが是非是非よろしくお願いします！(*´艸`*) (2021年9月17日 3時) (
レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 華様 おはようございます！華様の情景が浮かぶ様な素晴らしい話、本当大好きです！！長いなんて思わないくらいいつも楽しい読ませて頂いてます\(//∇//)\ お忙しいのに、いつも更新ありがとうございます！！ そして、煉獄先生ー。がんばれー！！次も楽しみです！！ (2021年9月16日 8時) (レス) id: c872c7d816 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - ゆいさん» ゆい様、コメントありがとうございます(*´ `)先生はきっと大正軸より少し歳上なので、中身は大人のイメージです。ゆい様の元気の元になれましたか？(*´∀`*)こちらこそありがとうございます！！ (2021年9月9日 18時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 華様 夢主ちゃん、よかったですーやはり、先生は頼りになってかっこいいし、ステキです。、、、最後のムフフな展開もドキドキですーー。今日は仕事がんばろーって、思えました！！ありがとうございました！行ってきます！！(*^ω^*) (2021年9月9日 8時) (レス) id: c872c7d816 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - ゆいさん» ゆい様、コメントありがとうございます(*´ `)連れ去るのも良いけど、夢主ちゃんはきっと最後まで仕事をやり遂げたいだろうな、でも心配だから見守るんだろうな、と言う感じです(*´艸`*) (2021年9月2日 21時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=punishop
作成日時：2021年3月29日 8時
