【キメツ学園】ハッピーエンドのその後は４【煉獄杏寿郎】

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　今日は文化祭前日と言う事で、クラスで出店をする所はその準備を、出店しない所は学内の見回り当番の確認をしたりとバタバタしていた。


　気がつけば時計は２１時を回り、他の先生も帰ってしまって職員室には俺一人。

　そろそろ帰り支度をしようとしていた時の事だった。


　突然職員室の電話がけたたましく鳴って、反射的に受話器を取る。


「はいキメツ学園、煉獄です」

「もしもし、あぁ、煉獄先生ですか？

　私、１年筍組の鈴村Aの母です。

　娘がいつもお世話になっております……」


　Aの母上か？

　嫌な予感に心臓がドキリと跳ねた。


「どうされました？

　Aさんに何かありましたか？」

「実は……娘がまだ帰宅してないんです。

　電話も架けたんですが、取ってもらえなくて……

　『明日が文化祭だから準備で遅くなるかも』とは聞いていたんですが、流石に９時過ぎるのは遅いと思って。

　学校までの通学路を辿って歩いても見たんですが見つからなかったので、もしかしたらまだ学校に残っているのではと思って電話させて頂きました」

「すぐ校内を探してみます！

　見つかりましたら連絡しますので、電話番号お聞きしても良いですか？」

「私も近所をもう一度探しますので、携帯に連絡をお願いします。

　番号は０９０……です」

「分かりました！

　では、失礼致します！」


　嫌な汗が背中を伝う。

　俺は電話を切ると、Aの教室へと走った。

　階段を駆け上がり真っ暗な廊下を抜けて、彼女の教室のドアの引き手に手を掛けて開けようとするが開かない。

　窓から中を覗き人の気配が無い事を確認して、次はもしかしたらと社会科準備室に走る。


　だがここにも誰も居ない。

　あとは……


　天文部の教室へと走る。

　やはり廊下も教室も真っ暗で誰も居ないように見えるが……


　俺がドアの引き手に手をかけて力を込めると、それはいとも簡単にガラリと開いた。

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