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「A!
もう、部活は終わったのか?」
「はい!
帰る前に、先生の顔を見たいなって思って……」
「そうか!
……ほら、こっちにおいで」
先生は百点満点の笑顔をこちらに向けてくれると、机の上をバタバタと片付けて冷蔵庫から何やら取り出しながら私を呼んだ。
「今日は、芋プリンだぞ!
これまた絶品でな!」
「わぁ、美味しそう!
頂きます!」
机の上に二つ並んだプリンを見ると、紫色と山吹色の二種類あった。
「好きな方を取ると良い!
確か紫芋と安納芋だったかと思う!」
「どうしよう、どっちも美味しそう」
「では、半分こするのはどうだ?」
先生はそう言うと、紫の方を手に取って蓋を開け、スプーンで一口分掬って
「ほら、口を開けて」
と言った。
「えっ?」
差し出されたプリンが乗ったスプーンを見て、思わず頬が熱くなるのを感じる。
「大丈夫だ!
俺はまだ食べてないから気にするな!」
「いえ、それは良いんですけど……」
「俺に食べさせて貰うのは嫌か?」
先生がシュンとして、眉尻を下げた。
そんな顔をされたらもう、断れるはずが無い。
「そ、そんな滅相もない!
頂きます!」
私は、恥ずかしさと罪悪感を天秤にかけて、先生の差し出したスプーンに齧り付いた。
やっぱりかなり恥ずかしい。
でも先生の手からプリンを食べる私を見て、先生はすごく満足そうだ。
「……どうだ?」
「……ん、美味しいです!」
「それは良かった!
ほら、もう一口!」
先生は嬉しそうに目を細めると、もう一口プリンをすくう。
私はまたそれにかぶり付く。
その様子をじっと見られて居たたまれなくて、私はすぃと目を逸らす。
「ん、どうした?」
「……恥ずかしくて」
「だろうな!
だが、そんな顔も可愛いな!」
「先生、声が大きい!」
チラと視線を上げて先生を盗み見ると、先生も頬がほんのりと赤くなっていた。
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華(プロフ) - ゆいさん» ゆい様、いつもコメントありがとうございます(*´ `)うわああぁ、そんなふうに言ってもらってすごく励まされます!これからも拙い文章ですが是非是非よろしくお願いします!(*´艸`*) (2021年9月17日 3時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 華様 おはようございます!華様の情景が浮かぶ様な素晴らしい話、本当大好きです!!長いなんて思わないくらいいつも楽しい読ませて頂いてます\(//∇//)\ お忙しいのに、いつも更新ありがとうございます!! そして、煉獄先生ー。がんばれー!!次も楽しみです!! (2021年9月16日 8時) (レス) id: c872c7d816 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - ゆいさん» ゆい様、コメントありがとうございます(*´ `)先生はきっと大正軸より少し歳上なので、中身は大人のイメージです。ゆい様の元気の元になれましたか?(*´∀`*)こちらこそありがとうございます!! (2021年9月9日 18時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 華様 夢主ちゃん、よかったですーやはり、先生は頼りになってかっこいいし、ステキです。、、、最後のムフフな展開もドキドキですーー。今日は仕事がんばろーって、思えました!!ありがとうございました!行ってきます!!(*^ω^*) (2021年9月9日 8時) (レス) id: c872c7d816 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - ゆいさん» ゆい様、コメントありがとうございます(*´ `)連れ去るのも良いけど、夢主ちゃんはきっと最後まで仕事をやり遂げたいだろうな、でも心配だから見守るんだろうな、と言う感じです(*´艸`*) (2021年9月2日 21時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=punishop
作成日時:2021年3月29日 8時