検索窓
今日:23 hit、昨日:3 hit、合計:73,036 hit

170 ページ27

*


 先生は、チラリと時計を見て口を開く。


「――さて、名残惜しいがどうする?

 このままここに居ると、病気と言う事で合宿から強制退場になりそうだな。

 折角の合宿だ、友人と過ごしたいだろう?

 観測会も終わる頃合いだろうし、そろそろ上に戻るか?」


 時計を見ると確かにそんな時間だ。

 家に帰らされたら、明日の寝起きの先生も、歯磨きする先生も、あんなこんなの先生を見る事ができない。

 ……それは困るっ!


「はい!

 戻ります!」


 私は元気に答えて、素早く立ち上がる。

 先生はそんな私を見て、ふっと優しく笑った。


「――そうだ、さっきの話だが……

 二人だけの時には“杏寿郎”と呼んでくれても良いんだそ。

 俺が好きなのは、君なんだから」

「ん"っ!?」


 私は突然の申し出に、目を丸くして固まってしまう。

 そんな私を、先生は意地悪な笑顔を浮かべながら見ている。


「どうした?」

「いいえ、何にもありません!」


 これはヤバイ。

 確かにヤキモチは焼いたけど、自分が名前を呼ぶ事は考えていなかった。


「上!

 上に戻りましょう!」

「名前を呼んでくれないのか?」

「そっ、それはまた今度!

 私の心の準備が整ってからで!」

「それは楽しみだな!」


 真っ赤になって保健室の入り口に逃げる私を、先生はくっくっと笑いながら後を追う。


 保健室の扉を開けると、遠くからざわざわと人の気配が近づいてくるのが分かった。

 階段の方へ向かうと、優香ちゃん達が丁度降りてきた所だった。

171→←169



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (199 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
559人がお気に入り
設定タグ:キメツ学園 , 煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - ゆいさん» ゆい様、いつもコメントありがとうございます(*´ `)うわああぁ、そんなふうに言ってもらってすごく励まされます!これからも拙い文章ですが是非是非よろしくお願いします!(*´艸`*) (2021年9月17日 3時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 華様 おはようございます!華様の情景が浮かぶ様な素晴らしい話、本当大好きです!!長いなんて思わないくらいいつも楽しい読ませて頂いてます\(//∇//)\ お忙しいのに、いつも更新ありがとうございます!! そして、煉獄先生ー。がんばれー!!次も楽しみです!! (2021年9月16日 8時) (レス) id: c872c7d816 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ゆいさん» ゆい様、コメントありがとうございます(*´ `)先生はきっと大正軸より少し歳上なので、中身は大人のイメージです。ゆい様の元気の元になれましたか?(*´∀`*)こちらこそありがとうございます!! (2021年9月9日 18時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 華様 夢主ちゃん、よかったですーやはり、先生は頼りになってかっこいいし、ステキです。、、、最後のムフフな展開もドキドキですーー。今日は仕事がんばろーって、思えました!!ありがとうございました!行ってきます!!(*^ω^*) (2021年9月9日 8時) (レス) id: c872c7d816 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ゆいさん» ゆい様、コメントありがとうございます(*´ `)連れ去るのも良いけど、夢主ちゃんはきっと最後まで仕事をやり遂げたいだろうな、でも心配だから見守るんだろうな、と言う感じです(*´艸`*) (2021年9月2日 21時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=punishop  
作成日時:2021年3月29日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。