【キメツ学園】ハッピーエンドのその後は４【煉獄杏寿郎】

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　私はその笑顔が何だか、勝ち誇った様な表情に見えてしまって思わず目を逸らしてしまう。

　そして下唇をキュッと噛むと、逃げる様に背を向けて優香ちゃんと萩原先輩の方へと向きなおった。


「Aちゃん、流星すごいよ！」

「わぁ、ほんと？」


　夜空を見上げる優香ちゃんの明るい声に、私も自分を鼓舞するように元気に返事をする。

　空をじっと見ていると、暗さに目が慣れてきて暗い星も見えるようになる。

　放射点辺りをぼんやりと見てると、視界の端にピカッと何かが横切った。


「見えた！」

　持ってきてたカウンターを押して、数を記録する。

『次こそお願い事しなきゃ』

　そう思いながら、夜空を睨みつける。


　チカッ


　目の端をかすめる一瞬の光に、心から願う。

『先生とずっと一緒に居れますように』


　幾つも、幾つも流れる星々に、何度も、何度も同じ事を願った。



「どう？

　観測うまく行ってる？」

　高橋先生が私達の所にやってきて、私達のノートやカウンターの目盛りを覗き込んで行く。

「はい！

　流れ星をこんなに見たの初めてです！

　ね、Aちゃん」

「うん」

「みんなは流れ星にはちゃんとお願い事したかしら？

　先生は沢山お願い事しちゃった」

「先生のお願い事って、煉獄先生と早く結婚したいとかじゃねーの？」

「ええ、そうよ。

　杏寿郎には秘密ね」


　笑顔でそう話す高橋先生が眩しい。


　私が煉獄先生の彼女なのに。

　でも、みんなに先生の彼女と思われているのは高橋先生で。

　みんなの前で、堂々と煉獄先生に対する好意を口に出せるのが羨ましい。

　自分の中に、こんなにもドロドロとした嫌な気持ちがあるなんて知らなかった。


　胸が痛くて苦しくて、高橋先生の顔を真っ直ぐに見る事が出来なかった。

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