160 ページ17
*
屋上の扉を開ける瞬間が好きだ。
何も遮るものが無い空が視界いっぱいに広がって、ドアから吹き込んでくる強い風に髪がなびき、全身が開放感に包まれる。
いつもの学校なのに、特別な場所にやって来た様に感じる、そんな一瞬が。
私はドアをしっかりと開けて閉じないのを確認すると、足元に置いておいた荷物を持って屋上の真ん中まで運んだ。
「星図と、懐中電灯と、ノートと……
うん、オッケー」
屋上には星の観察を邪魔する明かりがないおかげで、地上よりも星達がきれいに見える。
下弦の月が空にあるけれど、あまり明るく無いからきっと今日の流れ星はよく見えるだろう。
「星がきれいだねぇ、優香ちゃん……」
「だねぇ……
そうそう、先輩に聞いたんだけどここに寝っ転がって空を見ると、すごく気持ちいいんだって!」
「へぇ!
やってみよう!」
二人並んで床に座って寝転がろうとした時、ザワザワと人がやって来る音が聞こえた。
「おっ、二人とも早いね。
望遠鏡のセッティング手伝ってくれる?」
そう言って先生達と先輩達がやって来て、一気に屋上は賑やかになる。
私達は機材を広げて、街灯やライトの場所を確認して、光が入らない様にレンズの向きを調整したり、星図を確認して流星群の放射点の方向を確認した。
基本的にセッティングは生徒主体なので、先生達は端の方に並んで立っている。
チラッと見ると、何やら二人で話してるみたいで、私は二人の様子が気になってしまって、つい何度も見てしまった。
559人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
華(プロフ) - ゆいさん» ゆい様、いつもコメントありがとうございます(*´ `)うわああぁ、そんなふうに言ってもらってすごく励まされます!これからも拙い文章ですが是非是非よろしくお願いします!(*´艸`*) (2021年9月17日 3時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 華様 おはようございます!華様の情景が浮かぶ様な素晴らしい話、本当大好きです!!長いなんて思わないくらいいつも楽しい読ませて頂いてます\(//∇//)\ お忙しいのに、いつも更新ありがとうございます!! そして、煉獄先生ー。がんばれー!!次も楽しみです!! (2021年9月16日 8時) (レス) id: c872c7d816 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - ゆいさん» ゆい様、コメントありがとうございます(*´ `)先生はきっと大正軸より少し歳上なので、中身は大人のイメージです。ゆい様の元気の元になれましたか?(*´∀`*)こちらこそありがとうございます!! (2021年9月9日 18時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 華様 夢主ちゃん、よかったですーやはり、先生は頼りになってかっこいいし、ステキです。、、、最後のムフフな展開もドキドキですーー。今日は仕事がんばろーって、思えました!!ありがとうございました!行ってきます!!(*^ω^*) (2021年9月9日 8時) (レス) id: c872c7d816 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - ゆいさん» ゆい様、コメントありがとうございます(*´ `)連れ去るのも良いけど、夢主ちゃんはきっと最後まで仕事をやり遂げたいだろうな、でも心配だから見守るんだろうな、と言う感じです(*´艸`*) (2021年9月2日 21時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:華 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=punishop
作成日時:2021年3月29日 8時