【キメツ学園】ハッピーエンドのその後は４【煉獄杏寿郎】

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　お風呂から上がってジャージに着替え、二階に上がろうと階段に向かっていると、優香ちゃんが私の肩をチョンとつついて

「先輩達のお部屋に行って見ない！」

と言った。


　そう言えばさっき、煉獄先生が来てたよね。


　そう思った私は、

「仕方無いなぁ。ちょっとだけだよ」

　なんて口で言いながら、

　先生、ジャージかな？

　お風呂にはもう入ったのかな？

　髪は下ろしてるのかな？

　なんて事を考えて、内心ウキウキしてしまう。


「先輩っ！

　屋上には何時に集合でしたっけ？」

「失礼します……」


　そう言いながらガラリと扉を開ける優香ちゃんの後ろから、男子部屋を覗き見ようと私はヒョコと背伸びした。


「集合は七時半だな！」

　あれ？

　先生？


　開いた扉の向こう側には、仁王立ちした煉獄先生が腕を組んで、その視界を塞いでいた。


「えっ……あぁ、そうですか。

　ありがとうございまーす……」


　優香ちゃんは、先生の壁に阻まれて後ずさる。


「君たちも湯冷めしない様に、しっかり髪を乾かしてから来ると良い！

　遅れないようにな！」

「はーい……」


　有無を言わせない先生の様子に、優香ちゃんは肩を落として踵を返す。

　私はその後ろに続いて一緒にもと来た廊下を戻る。

　角を曲がる前にチラと振り向くと、先生がこちらを見てウインクしてくれた。


「ん"っ！」

　私はシャツの胸元をギュッと掴んで、口元が緩みそうになるのをぐっと堪える。


　現金なもので、さっき迄のどんよりとした気分は、先生のウインク一つで吹き飛んでしまった。


　今日観察するのは流星群。

　沢山の流れ星を先生と見れたら、それはもう素敵に違いない。


　なんのお願いをするか、ちゃんと決めとかなきゃ。

　そんな事を考えながら、階段を一段飛びで駆け上がった。

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