【キメツ学園】ハッピーエンドのその後は４【煉獄杏寿郎】

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「――さぁ、着いたぞ」

　気がつくと見知らぬ場所の駐車場に着いていた。


　助手席から出ると、少し遠くで賑やかな音が聞こえている。

「さぁ、行こうか！」

「はい！」


　私がそっと手を出すと、先生は仕方がないなぁと言う顔をして、手を差し出してくれた。

　私は緩む頬を堪えながらその手を取って指を絡める。


　誰から見ても、私達、恋人同士だよね？


　二人並んで歩くと下駄の音がカランコロンと小気味良い。

　賑やかな人混みの音が聞こえる方へと、いつの間にか早足になった私達の下駄の音が響く。


　電柱の祭りのポスターには花火の文字がある。

「花火もあるんですか？」

「うむ！

　俺は来たことが無いが、中々美しいらしいぞ！」

「わぁ！ 楽しみ！」

「……宇髄に教えて貰ったんだがな！」

　先生は照れ臭そうに笑う。

　私の為に調べてくれただけで嬉しいな。


　角を曲がると、沢山の人と白熱球に照らされた出店が見えた。


「うわぁ……！

　何食べます？

　とうもろこしも良いし、冷やしパインも良いなぁ！」

「うむ！

　どれも美味そうだ！

　フルーツ飴はどうだ？」

「いちご飴も良いけど、ぶどう飴も気になります！」

「では、いちごとぶどうを一つづつ貰おう！」


　すっかり出店に夢中になっている私を、先生は目を細めて見ている。

　あれやこれやと買い込んで、私達はフルーツ飴を齧りながら人の流れに乗って神社の方へと歩いて行く。


「……ぶ、ぶどうも味見していいですかっ！

　先生もいちご、ど、どうぞ！」


　下心、見え見えかな？

　そう思いながら、思い切って言ってみる。

　先生は、少し驚いた顔をしたけれど私と交換してくれる。


　……間接キスだ……

　ぶどう飴を、一つ口に頬張ってドキドキする。

　先生をこっそり見上げると、先生も私を見ていて、目があってしまった。


　先生、頬が赤い？

　と思った瞬間、目を逸らされてしまう。


　先生も、意識してくれてるのかな？

　そうだったら嬉しいな。

　少し、くすぐったくて恥ずかしい。



　ぶどうを噛むと、甘くて、酸っぱくて、まるで今の私の気持ちの様な味がした。

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