【キメツ学園】ハッピーエンドのその後は４【煉獄杏寿郎】

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「えっ？ えっ？」

「歩くのは辛かろう！」

「いや、でも！」

「背負う方が良かったか？

　でも、浴衣では裾が邪魔だからな！」

「いえ、そうじゃなくて！」

「あぁ、大丈夫だ！

　君は軽い！

　気にするな！」

「いや！ 重いですから！！

　って、そうじゃなくて！」

「じゃあ何だ？」

「……恥ずかしいです……」


　顔を上げると周りの人が、チラチラと見てるのがわかる。

　体も密着して、恥ずかしくて死にそうだ。


「俺はそんな事は気にしないが……

　では、こうしたらいい！」


　クスリと笑って先生はそう言うと、私の顔を自身の体の方に向けさせて、私の手を自身の首に回させた。


「顔を隠せば恥ずかしく無いだろう！」


　そう言う問題！？

　そう思ったけど、スタスタと歩いていく先生は本当に全く気にしてなさそうだ。

　顔を先生の胸に埋めるような形になって、これはこれでかなり恥ずかしいんだけど。


　息をする度先生の汗の匂いと、何だろう良い匂いが胸いっぱいに広がる。

　ピッタリとくっついた体からは、先生の体温が伝わって来た。


　胸がドキドキを通り越して、心停止してしまいそうだけど、触れてくれて凄く、凄く嬉しい。


　私は目を閉じて、周りからも、先生からも顔が見えない様に、その胸に顔をぎゅっと押し付けた。


　ドキドキ

　ドキドキ

　自分の鼓動の音が耳に響く。



　しばらく歩いて、辺りが静かになった頃

「さぁ、着いたぞ！」

　先生はそう言って車のドアを開け、私をゆっくりと助手席に座らせてくれる。

　そして、そのまま膝を付いて私の足を確認した。


「まだ痛むか？」


　そう言って私を見上げた顔が、もう格好良くて、可愛くて、愛しくて、胸がぎゅっと苦しくなって。


　黙り込んだ私見て、先生は心配そうに首を傾げ眉尻を下げた。


「A？」




　――私は先生の髪をそっと抑えると、そのまま吸い寄せられる様に、先生のおでこにキスをした。

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