目覚めて、笑って、パンプキン。2【💚💜❤️💛🚢】 (ページ3)

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——すっと何の前触れもなく意識が覚醒した。
でも身体の方はまだ重たくて、目を完全に開くまで少し時間がかかった。....まだ残る眠気を振り払いたくて目を擦りながら無理やり身体を起こすと、すぐ隣から小さい声が聞こえてきた。

「....起きたか」

「ん........うらたさん、？」

ベッドの脇まで椅子を引っ張ってきて座っていたらしい。なんとなくその顔が落ち込んでいるように見えたのは、背後に昇っている満月のせい....じゃ、なさそう。

「おはよう....どうしたの、私そんなに長い間寝てた？」

「....そこまで長くはない」

「そっか」

寝過ぎていたのかと思ったら、そういう事でもないみたい。なんでここに居てくれてるんだろう？と眠る前の事を思い返して.....納得した。目の前であれだけ泣きじゃくったら、心配も掛けちゃうか。

「どうだ、体調は。少し起きてられそうか」

「うん....たぶん、大丈夫だと思う」

「じゃあ....話したい事がある。聞いてくれるか」

「え？」

うん、と頷きながらも、改まってなんだろう？と思っていたら、急にどうして？って事を聞かれた。

「お前はあの日のこと、どのくらい覚えてる」

「あの日....って？」

「俺らがはじめて会った日のこと」

「....私が6歳の頃の、ハロウィンの夜のこと？」

「ああ」

迷子になってつまずいて泣いていた所を、うらたさんに声をかけてもらった、あの日。いつものようにその後の一連の流れを思い出して....それだけで、どんどん幸せな気分になる。

「みんなでお菓子を囲んで、お母さんのお菓子も喜んでもらえて....楽しかったし、嬉しかったなぁ」

「....そこを覚えてんのは知ってる」

「ふふ、そっか。ええと、どこまで、って言うと....あ、そうだ。あの時は子供の姿だったけど、あれはみんな変身してたの？」

「ああ。まぁそうだ」

「懐かしいなぁ。....良かったなぁ、あの時偶然みんなに会えて」

「........ない、」

「え？」

消え入りそうな声で呟いたうらたさんは、俯いたまま、もう一度はっきりと口にした。

「偶然じゃなくて、俺はずっと....ずっと、見てたんだ。お前のことを」

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