目覚めて、笑って、パンプキン。2【💚💜❤️💛🚢】 (ページ2)

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彼女は何もしていなかった。

本当に、何も。村人たちの気持ちを汲んだ彼女は、自ら村との関わりを経ち....森の中で一人、ひっそりと生きていただけだった。
でもあいつらは、彼女が生きていることを許さなかった。——彼女に命を救われたはずの少年さえもが。

「ごめんなさい....貴方は逃げてちょうだい。近くに居ると気付かれたら貴方まで殺されてしまうわ、だから」

「でも....そうね。もし、私の死体がここに放置されていたら、その時は……」

俺は、何も出来なかった。彼女が日々愛情を込めて手入れしていた植物たちが踏み倒されるのを、暖かで落ち着く場所だったその部屋が大いに荒らされるのを....ただ見ている事しか出来なかった。

満月の夜。森には霧が立ち込めていたのを覚えている。
ぐちゃぐちゃになった部屋に戻って、俺は....前の晩に言われた通り、彼女の身体に噛み付いた。

....まだ、離れ離れになりたくなかった。自分の顔が生温い液体で汚れてしまうのも、彼女の身体がただの肉の塊になっていくのも、厭わなかった。吐き気に襲われながら、それでも、少しでも、この身体に繋ぎ止めようと貪った。

もう二度と、あんな思いはしたくない

離れ離れは、ひとりぼっちは、もう嫌だ

いつの間にか自分の手に力が入っていて、その痛みではっと我に返った。

....あれから、ずいぶん時間が経った。黒い煙は、毎日彼女の身体に流れ込んでいるはずなのに....Aの瞼はずっと、綺麗に閉じられている。

次に目を覚ましたら、その時は——

と思った瞬間、彼女の瞼がゆっくりと動いた。

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