133 ページ34
「…どうぞ、」
由美さんに紅茶を差し出す。
おずおずと手に取り、「ありがとうございます…」と小さな声で言った。
──────外は雨。
あの日、彼女を家にあげたあの時も
雨がしきりに降っていた
錦「…由美、」
3人で会うことになった私達は、私の家で集まることとなった。
由「……聞きたいことがあるの」
それを聞いたら、もう、会わない
そう彼女が言う。
私は整理できない頭で
大倉くんに、まだこうなった事態を言えていないことについて罪の意識に苛まれていた
このまま、上手く解決すれば何事もなかったかのように今まで通り、大倉くんとも、錦戸さんともお付き合いが出来るんじゃないか。
言わないままやり過ごせるなんてことがあるかもしれない───
…卑怯だ…
そんなことを思う私は、なんて醜いんだろう…ｯ
錦「聞きたいこと？」
由「…あのね、…私の事ちょっとでも好きでいてくれた？」
錦「……ごめん…恋愛感情は、ない」
由「そ、っか…(笑)」
キッパリ言い切る彼にギョッとする。
───やっぱり、彼にはそういう女のコ、たくさんいるのかな…
由「…あとね」
ゆっくり、瞬きをして
彼を見据えた。
その姿にぶるりと震える。
由「…他に好きな女の子、いるって言ってたけど
・
・
それって、新田さんでしょ？」
───────……え？？？？
「なｯ…何言ってｯ、(笑)」
なんでそこに私が出てくるの…？
由「そうでしょ？答えて。」
錦「ｯ……なに、言うてん、」
由「……」
錦「…ちゃうわ。Aちゃんはほんまに友達やって…ｯ、」
由「……」
静かに目を伏せて、今度は私を見つめた。
由「新田さんは、
羨ましいな…」
ﾋｭｯ、
と喉が鳴る。
まるで金縛りにあったみたいに
息がｯ…できないｯ…
錦「ｯAちゃんっ！！」
「ぁ、ｯ……」
錦戸さんがゆっくり背中を摩ってくれる
じんわり、視界が霞んでいく
錦「もうええやろ。彼女は関係ないねん。もう巻き込まんといてくれ…」
由「ｯ…ごめん、なさ…」
由美、さん…ｯ？
由「こんなことしかできない女でｯ…
ごめんなさい」
'タスケテ'
彼女の声が聞こえた気がした
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 478人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「関ジャニ∞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
霞(プロフ) - ぁぃ岡ちゃんさん» コメントありがとうございます！ 由美ちゃんにそんなに想ってくれるなんて嬉しいです。きっと伝わっていると思います。ゆっくりかもしれませんが応援してくださると嬉しいです。 (2018年12月4日 23時) (
レス) id: d6c2b255b7 (このIDを非表示/違反報告)
ぁぃ岡ちゃん(プロフ) - 由美ちゃん、めっちゃ健気で泣きそうになりました！こんなに健気なのになんで報われないんだろう、由美ちゃんには絶対幸せになって欲しいな、って実在の人じゃないのに思っちゃいました笑笑 更新楽しみにして待ってます！これからも頑張ってください (2018年11月30日 22時) (レス) id: eade38522d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：霞 | 作成日時：2018年9月20日 14時
