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時計を見ると約束の時間まであと数分
まだ時間あるのに
玄関のところでなんだかそわそわしちゃってる自分がいて
｢…なにやってんだろ｣
落ち着いて待てない自分が幼く思える
・・・大倉さんとか、錦戸さんの周りにいる女の人は
こんなにあたふたすることなんてなくて
きっと余裕を感じられるようなオトナな女性ばっかりなんだろうな
｢だめだぁ〜・・・あたし、(笑)｣
玄関の鏡に映る自分
両手でぶちゅ、っと頬を包んで
｢…幼いなぁー…｣
童顔。
大人っぽくなりたいよ…
＿＿＿＿ピンポーン…
ガチャリと扉を開けると
錦戸さんがいて
錦｢あれ｣
錦｢髪おろしてんの？｣
すっと手が伸びてきて
おろした髪に軽く触れる
なんだか妙にくすぐったくて
自分の髪なのに自分のじゃないみたい
｢…ｯ、///｣
錦｢・・・家帰ってからおろした？｣
｢え、あ…はぃｯ///｣
錦｢ならええわ｣
ふっと軽く微笑む
｢…あの、なんで…｣
錦｢もうすぐ大倉の誕生日やろ｣
｢はぃ、｣
5月16日
横山さんと近いんだよね
｢…錦戸さんは11月3日でしたよね？｣
錦｢〜〜〜ｯ、！///
俺の誕生日はどうでもええねんｯ！！！///｣
目をこすってぷいっと視線をそらす
錦｢…アイツになんか買ってやったらええんちゃう？｣
｢え・・・でも、｣
差し出がましくないかな
錦｢喜ぶって。もらって嬉しない人なんかおらんやん｣
｢・・・｣
錦｢俺らもさ、こういう職業柄周りに困らん程女おんねん。…まぁ、大倉はそーいうとこきっちりしとるけど。
少しでも振り向いて欲しい気があんねやったら
やってみる価値あると思うけど｣
｢・・・振り向いてほしいとか・・・そんなっ｣
いいんです
私が勝手に恋しただけだから
そんな高望みするほど
私図々しくなれない
今のこの関係がいいんだ
寝癖のついた髪に指を通して
宝石を磨いて綺麗に輝かせるように
かっこよく仕立て上げる
｢ありがとう、って笑ってくれるだけで
私、十分幸せだと思えるんです｣
だからいいんです
むしろ気づかれないでそのまま過ぎてく方が。
錦｢・・・アホちゃう(笑)｣
錦戸さんの柔らかい笑顔
錦｢今度大倉にきいとくわ。誕生日何欲しいか｣
｢えっ、｣
錦｢新田さん、買ったって｣
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作者名：霞 | 作成日時：2015年7月27日 17時
