あなただけの魔法使い (緑 sub.黄) (ページ6)

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6 錦戸side ページ6

大倉のヘアメイクが変わった

そんなことどうでもええと思ってた

やから大してその人にキョーミなかったし。

けど楽屋ではマルとヤスが｢Aちゃんって可愛ええよなぁー｣なんて話をよくしとって。

その度に大倉が満足げな顔をする

変な奴らやなーって。

やってこの業界おったら可愛ええ子なんて腐るほどおんねんで？
いちいちアイツ可愛かったよなとかよお言わんやん

しかも一介のヘアメイク。

ここまで話題に上る理由がわからん、かった、はず＿＿＿＿

やのに俺は＿＿＿＿

錦｢まさかこんなことになるとは…｣

｢…私もです(笑)｣

錦｢マンション一緒とか何やねん(笑)｣

｢ですね、(笑)｣

そう。

たまたま

ほんまに偶然

俺がコンビニに行くタイミングで隣の部屋から出てきてん

向こうがハッ！！って顔したから誰やろってよお見たら大倉のヘアメイク

錦｢髪おろしとるから全然わからんかった(笑)｣

仕事のときは絶対あげてんねん
ポニーテールのときもあればまあ、よおわからんアレンジしてアップにしとる

錦｢下ろすだけでだいぶ印象変わんねんな｣

毛先だけ緩く巻かれた髪がふわんふわんとウェーブがかって胸のあたりまで伸びている

普段の柔らかな印象に加えて余計女らしい感じ

｢…錦戸さんと話すの初めてですよね、｣

人見知りだと伺ってたので、って。

錦｢大倉にきいたん？｣

｢はい。みなさんのこと楽しそうに話してくれました｣

極度の人見知りで毒舌やけど誰よりもあったかい

そう言ってました、って。

俺のこと言うてんのにそう語る顔は＿＿＿＿

錦｢…大倉のこと話すとき幸せそうな顔をすんねんなぁ(笑)｣

恋しとる顔＿＿＿＿

ちょっとからかっただけやのに顔真っ赤にして俯く

へぇ。

可愛い(笑)

ん？可愛い？
なんや、俺も可愛いて思うてもうたやん(笑)

｢ｯそんな顔してませんっ！///｣

小柄なせいもあって照れながら俺を見上げるのも
少し潤んだ瞳も。

そんな時サァッと風が吹き抜けた

｢・・・ｯ、！！｣

＿＿＿＿ふわん、

さらさらと揺れる髪

鼻をかすめる甘酸っぱい香り

ぽわんと色づく頬

言葉を失う

見惚れた？俺が？(笑)

でも間違いなく目を奪われた

｢…？錦戸さん？｣

錦｢・・・髪あげとった方がええ｣

は？
何言うてんねん俺

おろしてたら他の奴らにも知られるとか

なんでそんなん気になるん？