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安「最近ええ感じやね」
「え？」
安「ふふ、顔、にやけてるよっ」
ふに、と安田さんに頬を突かれる
安「大倉と二人で食事行ったりしてるんやろぉ？僕聞いちゃったっ」
私の耳に小さな声で話す安田さんは本当に女の子のよう
にしてもなんで知ってるのっ？//
安「あっ大丈夫やで！誰かに漏れてることは絶対ないし、僕、大倉の親友でもあるし、それに、Aちゃんの恋のキューピッドになる、って約束したやろ？」
「…かわいいですね、相変わらず(笑)」
安「え？？(笑)」
口元に手を当ててニコニコと話す姿が本当に可愛くて
もし安田さんが女の子だったら絶対に敵わない
安「やっぱりAちゃん、ほんまに素敵な子ぉやし、タレントさんが担当してほしいて殺到するんもわかるもんなぁ。そばにおって和むって大事なことやねんで」
「…そんな、私は大したことはできないので…(笑)」
安「もっと自信持ってええのに(笑)」
上司「新田さん、ちょっと」
「あ、はいっ！」
安「…大変やね、Aちゃんも。体、気をつけてなぁ」
「安田さんも。お体気をつけて下さい」
安「ふふ、ありがとぉ」
バイバイ、って愛らしく手を振ってくれる安田さんに私は元気をもらって上司のところへ行く
上司「お、来たか」
上司の前田さん。入社当時からお世話になってる方で、この業界では本当に重宝されるすごい人
前「今度大きな仕事が入ったんだけど、お前に任せようかと思って」
「私に、ですか？」
前「お前の評判はいろんなところで聞いてるし、俺の耳にも届くってことはクライアントにも届いてるってことだ。先方から、お前を起用したいと申し入れがあった」
前田さんはす、と一枚の紙を差し出す
前「トップブランドの大きなコレクションが開催される。そのヘアメイク監修をお前に頼みたい」
「そんなっ、え、これ…！」
前「ははっ、そんな信じられないって顔すんな。お前にならやれるよ。ま、忙しいと思うし、この仕事受けたらなかなか今の担当外れる機会も増えると思うけど、相手方にはそう伝えておくし、何よりこの機会をものにしなくてどうすんだって話だ。
相手や衣装の魅力を引き出しつつ、
お前なりの'個性'を存分に出してこい」
「…わかりました。喜んでお引き受けします」
海外でも一流の日本のトップブランド＿＿＿
やったことのない仕事の大きさに足がすくむ
ぎゅっと目を瞑ると、
いつも笑ってる彼らの顔がふわっと浮かんだ
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作者名：霞 | 作成日時：2015年7月27日 17時
