あなただけの魔法使い (緑 sub.黄) (ページ42)

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42 大倉side ページ42

シャワーを浴びながら、冴えていく頭で亮ちゃんに言われたことを思い出していた

＿＿＿＿＿大'新田さんが？'

錦'ん。仕事帰りにお前を見つけて、倒れかけたとこを拾ったんやって。そんで俺に電話かけてきて'

大'ちょ、ちょっと待って、'

確かに俺はコンビニに行こうと外に出て、
そこでたまたま新田さんがおってくれたまではわかる

けど

大'・・・なんで亮ちゃんの連絡先知っとんねん'

亮ちゃんは瞬きをせずに俺をじっと見つめて

口を開こうとした

大'やっぱり、'

錦'は？'

大'変やと思うたんや'

俺は静かに目を伏せる

前に新田さんを送った時、亮ちゃんのマンションやったよな、って思うたし

亮ちゃんがいきなり新田さんと話すようになったんも、知ってる

俺のことを呼び出して忠告したんも、珍しいと思うた＿＿＿

錦'…お前が想像してるようなことは一切ないで'

亮ちゃんは静かに話す

錦'偶然、部屋が隣で、あいつの仕事の愚痴を聞いてるただの友達や'

大'・・・'

でも、俺には言わんかったんは

亮ちゃんに何かしら特別な思いがあるからちゃうん？

錦'ごめん、今更やけど、言わんかったことは、謝る'

錦'長い付き合いやから、お前があいつのこと、本気なんもわかってる'

まっすぐな目が
俺を見つめる

俺かて、
長い付き合いやから、亮ちゃんの今の言葉に嘘偽りがないことはわかってる

だからこそ

大'・・・ちょっと、ショックやな'

大'俺の事信用ならんかったん、？'

俺がそのことで怒るとか、そんなん思うたん？
そんな小さい人間に見えた？

錦'・・・ごめん、'

錦'お前のことは応援してる。けど、'

錦'・・・あいつと話したいと思う自分もおるんは確かなんや'

大'ッ、'

錦'勘違いしてほしないから言うとく'

錦'俺はただの友人に過ぎひん。そんで、お前の惚れた女が、いい奴なんもわかった'

錦'やから、いろいろあるかもしれんけど、最後まで味方でいるんは間違いないから'

錦'・・・俺はお前の背中を押したい'

大'・・・亮ちゃん、'

錦'熱のある時にこんな話してもな、'って自虐的に笑って

錦'Aちゃん待ってるから、リビング行こうや'って俺を起こす

＿＿＿＿

大「・・・ずるいわ」

あんな風に言われたら、
やっぱり大事にしたいと思うし

アイドルっていう壁が

俺に立ちはだかるんや