あなただけの魔法使い (緑 sub.黄) (ページ41)

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「…おはようございます、」

錦「、はよ」

錦戸さんは大きなあくびをした

「…どうですか？」

錦「熱はまだあるな。病院行って抗生物質もらったら良うなると思うけど」

マネージャーさんが来る前においで、って言われて
錦戸さんって、本当に優しい方なんだなあとしみじみ

いい人が隣でよかった…

錦「入ってええで」

寝室に静かに入ると、すやすやと大倉さんは寝ていて
でも額には少し汗が浮かんでいた

首に手を当てると、やっぱりまだ熱くて、
「かわいそうに…」

大人になって高熱って辛いよね…

しばらく目の前で寝ている大倉さんを見つめ
「じゃあ、これで失礼します、本当にありがとうございます」って言うと

錦「なんやねん、今日仕事ないんやろ？もう少し居ればええやん」

「え」

錦「もうそろそろ起こすし、アサイージュース作ったから飲んでき」

…アサイー…女子力たか…(笑)

錦戸さんは寝室に入ってドアを閉めてしまったので、中での会話は聞こえなかったけど
しばらくしたらのっそりと大倉さんが起きてきた

「…気分、どうですか？」

大「…ごめん、だいじょうぶ、」

って力なく笑う

大「昨日、俺のこと助けてくれたん、新田さんやってんな」

大「ありがとぉ…」

「…いやっ、そんな頭下げないでください！」

とりあえず、無事でよかった…

錦「そろそろマネージャーくるから戻り。お前はシャワー浴びたいなら使うてええから」

大「…ん、」

昨日よりは良くなった大倉さんを見れて安心した

「…気づいてあげられなくて、ごめんなさい」

大倉さんがシャワーを浴びに行った後、錦戸さんにそう言った

「昨日、朝少し変だな、とは思ったんですけど、その時マネージャーさんか誰かに言っておけばよかった…」

錦「・・・伝えたとしても、大倉は最後までやり抜いたと思うで」

錦「あいつ、頑固やから」

そう誇らしげに笑う

錦「ぶっ倒れるまで我慢したあいつが悪い。Aちゃんは悪ないで」

錦「やからそんな顔すんなや(笑)」

私の髪をぐしゃりと撫でて素敵な笑顔を見せる

「寝起きでその笑顔はずるいですね(笑)」

錦「はあ？(笑)」

アイドルの笑顔って本当に力になるんだなあ

「今度何かお礼させてください、必ず」

錦「…気にせんでええけどな(笑)」

本当に優しいひと…
アサイージュースはあまりの美味しさに全て飲み干してしまった
いつかレシピでも聞こう