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錦戸さんから、'今日の夜ならええよ'と連絡をもらったので
そのための缶ビールを求めて仕事場近くのコンビニに走る
結いていた髪ゴムを解いたら、ふわっと髪が広がる
ずっと結いてると頭痛くなるから仕事終わるとすぐに解きたくなるんです、って話をしたら
錦戸さんに「でもうちで解きや」って「髪ゴムの跡もついてるし、女の人は綺麗なままでいて欲しいやん」って
見てる女の人が美人だから、そんなこと言えるんだよ〜って思いつつ
カゴにガポガポビール缶を突っ込んだ
買ったビニール袋を提げながら外に出ると
「あ…雨…」
さっきまで小雨だったのに、！
走って帰るしかないと思って走り出したその時
見覚えのある背中が見えた
＿＿＿＿ 大倉さん？
大"…おはよう"
”…朝早くて大変ですね”
ドラマ撮影中は、深夜まで回るし、逆に朝も早い
セリフ、いつ覚えているんだろう、って不思議なくらい
"…？"
でも今日の大倉さんはあまり目が合わなくて
げっそりしているように見える
クマも酷くて、メイクでごまかしたけど、心配になったのをこの時唐突に思い出した
私は急いで駆け寄ってその背中を軽く叩く
「…大倉さん、！」
大「うわ！びっくりしたあ！！…なんや、新田さんか」
ふにゃ、って笑ったけど、触れた背中がやや熱っぽくて
やっぱり変だと思ったその瞬間＿＿＿
・
「っ大倉さん！！」
大きな体がよろめいて私の方にもたれかかる
「大倉さん！？」
大「はっ…はっ…」
って荒い息
どうしよう…！大倉さんを抱えて帰るにも距離があるし、タクシーも見当たらない！
＿＿＿あ、
私は急いで電話をかけて
雨に濡れないように大倉さんにカーディガンをかぶせる
「大倉さん、今迎えに来ますから！」
「とりあえず水分だけでも…！」って
まだ未開封の水を大倉さんに手渡した
腕の中で辛そうに眉を寄せる大倉さんを見て
どうして私は朝の時点で気付いてあげられなかったのだろう、と
ひどく後悔をした＿＿＿
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作者名：霞 | 作成日時：2015年7月27日 17時
