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｢…重っ、｣
“ごめーん、Aちゃん！これ運んどいてくれない？”
先輩にメイク道具を運ぶように頼まれたのはいいけど。
｢…先輩何をこんなに詰め込んでるの…？｣
あの人メイク道具多いことで有名なんだよね…(笑)
｢よっ…んしょ、｣
これじゃまるでお婆ちゃんじゃん(笑)
｢げ、階段｣
しょうがない
頑張ろう…
あ〜もぉ！腕ちぎれそう！
あとちょっと…！！
あと一段ｯ！！
｢…着いた…｣
はぁ…
重労働すぎる…
普段運動とかしないしヘアメイクなんてそこまで重労働じゃないし
だめだなぁ、動かないと(笑)
重さに耐えた自分の腕は真っ赤になってて
そっとさすっておいた
大｢…あ、来た来た(笑)｣
｢あっ、ごめんなさい遅れて！｣
大｢ふは(笑)
そない慌てんでも(笑)
俺が早く来てもうただけなんで｣
いつものように柔らかくニコって笑う
大｢…ごめん、今日寝癖すごいねん(笑)｣
そう言って帽子を取る
｢ふふ(笑)｣
大｢な？(笑)すごいやろ｣
｢確かに(笑)｣
ふわん、と持ち上がった髪
でもなんか可愛い(笑)
｢大丈夫です。いつも以上にカッコ良く決めてみせますよ｣
コテをセットして
鏡に映る大倉さんに向かい合う
…やっぱり綺麗な人…
ちょっとだけ見とれた自分が恥ずかしくなって
それを隠すようにパッパと大倉さんの髪をブロッキングする
｢今日はちょっと髪巻きますね｣
そう言って大倉さんのふわふわの髪に触れてると
＿＿＿＿ﾊﾟｯ！！
｢・・・・ｯ！？///｣
ガッと腕を掴まれる
｢ど、どうかしましたか…？｣
嫌だったかなｯ？
大｢・・・・腕｣
｢へ？｣
大｢・・・どうしたんですか、腕｣
腕…？
｢あ、ああ(笑)ちょっと重い物持ったので赤くなっちゃったんです｣
ちょっと打ち身っぽくなってきちゃってるなぁ…
｢見苦しいですよね、(笑)｣
絆創膏でも貼っとけばよかった
大｢・・・・次さ、｣
｢え？｣
大｢次重い物持つようなことあったら俺呼んでください。こんなんなるまでやるなんて…｣
｢…アイドルさんにそんなこと頼めませんよ(笑)｣
大｢アイドルの前に男やねんけど(笑)｣
大｢約束な？｣
掴まれた腕に意識が集中し過ぎて全然痛くなかったのにズキズキしてくる
ただ触れられただけで
なんてことない傷でさえも
どうでもいいものなんかじゃなくなる＿＿＿＿
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作者名：霞 | 作成日時：2015年7月27日 17時
