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錦「…え、なんかちゃうやん、今日」
メイク室で準備をしていると、早入りをした錦戸さんが入ってきて
頭の上から下まで私のことを見る
イケメンに見つめられるのにどうにも慣れなくてどうしてもおどおどする
「…やっぱり変ですかね、(笑)」
てっきりいつものように否定されるのかな、なんて思いきや
錦「いや、ええやん、似合う」
なんて。
やっぱりこの人はさらりと女の子が喜ぶことを、ちゃんと正しいタイミングで言ってのける
錦「女らしい格好もええやん、かわいい」
って、
そう言った瞬間には「んじゃ、お願いしますっ」ってもうすでに奥の椅子に座って、先輩のメイクさんに笑顔で挨拶をしている
錦戸さん…憎いよ、その言葉の余韻に浸ってる間にもういないなんて…！って
ちょっとむくれてみる
大「…おはよーございますー」
「あっ、おはようございます！」
またふわふわっとした雰囲気を醸しながら癒しの大倉さんが現れて
私を見てきょとん、とした顔をした
それを見てかわいいと思ってしまう私も私だけど、それにしても寝ぼけた表情で見つめるもんだからなんだかおかしくなってきて思わずクスリと笑ってしまった
大「え、ちょお、なんで笑うん！(笑)」
「いえ、なんか変な顔だなあ、って(笑)」
大「ええ、変な顔て！やめてぇよ(笑)」
なんて笑いながら大倉さんは鏡の前に腰掛ける
あー、朝から笑顔がたくさん見れて元気でるなあ、なんて思ってたら
大「こんなに朝一笑ったん久々やー」
大「新田さん、やっぱりちょっと俺のツボやわ」
なんて爆弾を投下していく
途端顔がボワっと熱くなったのを感じて、ちょっと離れた椅子に座る錦戸さんと不意に鏡ごしに目があって、ニヤリと笑われる。
これ絶対からかわれるやつだよね…って思ったら余計に恥ずかしくて、それを紛らわそうとぱっぱと手を動かす
大「そういえばこの前またすばるくんの担当したやんな？変なことされんかった？なんかマルがまたちょっかい出したとか聞いたし、」
「大丈夫ですよ(笑)お二人とも優しく話しかけて下さるので嬉しいです」
渋谷さんとは、服の趣味が同じで盛り上がって、って話をしたら、すばるくんがそんなに話をするん珍しいって驚かれた
最近は大倉さんの敬語もだんだん取れて、会話が弾むようになって
笑顔で今日もありがとうと言ってくれる
だからこそ
大倉さんが消えたメイク室は
やっぱり何かが物足りないように感じる
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作者名：霞 | 作成日時：2015年7月27日 17時
