あなただけの魔法使い (緑 sub.黄) (ページ12)

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｢リナと大倉さんが…？｣

｢そう。ドラマ決まったから。あなたヘアメイクどっちもお願いできる？｣

｢どっちもですか？｣

普通一人ずつ担当するのに・・・

｢リナがあなたじゃなきゃ嫌って言うのよ。大倉くんもあなたのヘアメイク気に入ってるみたいだし。
監督もあなたのこと信頼してるから｣

｢・・・わかりました｣

リナと大倉さんが…

恋愛もののドラマ、か…

リナ｢Aさんっ！ドラマ決まったの！｣

｢・・・大倉さんとやるんだよね？｣

リナ｢そう！ヒロインだなんて嬉しい！｣

キラキラ笑うリナはほんとに魅力的

｢よかったね(笑)｣

念願だったもんね、

素直に私も嬉しいもん

リナ｢Aさん、大倉さんの担当でもあるんでしょ？どんな人なの？｣

｢え～…そーだねー(笑)｣

ぱっと浮かぶのは

あの愛らしい笑顔

きゅっと口角あげて楽しそうに笑う

それだけで胸が苦しくて
きゅうって締め付けられる

｢穏やかで優しい人だよ｣

リナ｢そっかぁ～。怖くなくてよかった(笑)｣

｢仲良くなれるといいね｣

リナ｢うんっ｣

可愛らしいリナに、かっこいい大倉さん

素敵な恋愛もののドラマになるに違いない

｢・・・忙しくなるなぁ、これは(笑)｣

でも私にとってもチャンス
ここでいい評価を得ておきたいのも事実。

＿＿＿＿ピコン、

携帯の通知に大倉さんの文字が。

《ドラマも宜しくお願いします》

それだけ。

絵文字も何にもないたった一言。

でも

｢・・・頑張ろっ｣

すっごく嬉しいのは

やっぱり好きだからで。

こんなとこ錦戸さんに見られたら｢顔だらしない｣って言われちゃうのかな(笑)

大好きな二人が
同じ作品に出る

嬉しいと思ってた

すごくわくわくしてた

でも

私は何もわかってなくて

あまりにも幼くて

ずるい人間で。

これからただ楽しい時間がやって来るなんて
浅はかな考えしか持てなかったから

あんなことになったんだなって

いまになって

そう思うんだ＿＿＿＿

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