人の名前を覚えようとしない ページ16
「おはよ!今日は珍しくいるのな」
「おはよう。たまにはね」
「たまにはっていつも来いよなー毎日隣の席がいないと寂しいし。AにはAの事情があるんだろうけど」
「ごめんね。ありがとう」
隣の席の男の子は随分と爽やかだ。久しぶりに教室に入った私に何の気兼ねも無く挨拶をしてくれる。数人の女子の視線が少しキツイのは彼に気があるからなのだろう。視線だけで何もしてこないうちは可愛いものだ。目が合ったら戦闘開始なのは悲しい抜け忍の運命だ。最初のうちはぼーっとしている私の代わりに幼馴染が処理をしてくれていた。随分と懐かしいことを思い出した。
「そういえば、今日転校生が来るらしいぜ」
「へえ。こんな時期に珍しいねえ」
「だな!」
話もそこそこに、担任の先生と共に噂の転校生が教室に入ってきた。
「イタリアに留学していた、転入生の獄寺隼人くんだ」
ここらでは珍しい銀髪とお世辞抜きに整った容貌をしていた。その顔はあまり機嫌がよさそうには見えない。しかしクラスメイトの女子からしたら問題にならないようだった。その容姿を褒める言葉がちらほらと聞こえてくる。
転校生は何故かマグロくんに一直線。机を蹴るという暴挙にでた後に席についた。マグロくんと知り合いかと思ったけれど、それもどうやら違うらしい。
「ちょっと変わってるな。あの転校生」
「そうだね」
「あと、俺の名前は山本な。気のせいだったら悪いけど、A、俺の名前知らないだろ?」
告げられたことに少し驚く。確かに私はこの爽やか男子の名前を覚えていなかったからだ。素直に謝ると、全く気にした様子なく山本くんは笑った。その後、最近その動向が気になるマグロくんは沢田くんということも教えてくれた。良い人だ。
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やなぎ(プロフ) - 新作だされてたんですね!知らなかったです(悔しみの極)。今回もばりばりストライク決め込んでくるような作品で、舐めるように見つめてますごめんなさい。素敵なお話ありがとうございます (2019年5月7日 18時) (レス) id: 9b7153919b (このIDを非表示/違反報告)
春蛙(プロフ) - ミリアさん» コメントありがとうございます。原作の時間軸でお正月の回があるので、そこに合わせて書かせて頂く予定です。 (2018年12月25日 23時) (レス) id: 880724d273 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 凄く好みの作品で続きが楽しみです!!オチがあるなら雲雀さんをお願いします!!大好きなので!!リクエスト大丈夫なら雲雀さんと夢主がクリスマスやお正月を一緒に過ごす話お願いします。今後も無理せず更新頑張って下さい。 (2018年12月22日 15時) (レス) id: 5216ee3091 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はるのかえる | 作成日時:2018年12月22日 14時