友達はお金持ち ページ11
「この浴衣は誰のなの?恭弥くんって妹いたっけ」
恭弥くんの家はそのスケールから想像した通りで、何人ものお手伝いさんがいた。恭弥くんがその人達に指示を出すのを見ているうちに、あれよあれよと髪を乾かされて着替えさせられた。戻ってきた私に恭弥くんは満足気にしている。ひえ。
「妹はいないよ」
私が今着ているのは正真正銘女の子用の浴衣だ。薄い黄色の生地に可愛らしい桜が咲いている。そしてそういったことに詳しくない私でもわかる。これ、高い奴だ。なんといっても生地が滑らか。前に盆踊りの時に着せられた安物とは違う。
「じゃあ、従姉妹のとか?」
「違う。僕が生まれる前もし女子が生まれたらって思った母さんが買ったんだよ。でも生まれたのは僕だったから、つまり今日初めて着られたんだよ」
「こんな高そうなのを、しかも新品を着せてもらうなんて悪いなあ」
「いいんじゃない。どうせ今日君に着られなかったら箪笥の肥やしになってただけだろうし」
「うーん……まあ、いいか」
お手伝いさんが用意してくれたお菓子を頬張りながら笑う私を恭弥くんが呆れた顔で見てきた。いる?と言えばいらないと返ってきた。なんだったのか。
3人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
やなぎ(プロフ) - 新作だされてたんですね!知らなかったです(悔しみの極)。今回もばりばりストライク決め込んでくるような作品で、舐めるように見つめてますごめんなさい。素敵なお話ありがとうございます (2019年5月7日 18時) (レス) id: 9b7153919b (このIDを非表示/違反報告)
春蛙(プロフ) - ミリアさん» コメントありがとうございます。原作の時間軸でお正月の回があるので、そこに合わせて書かせて頂く予定です。 (2018年12月25日 23時) (レス) id: 880724d273 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 凄く好みの作品で続きが楽しみです!!オチがあるなら雲雀さんをお願いします!!大好きなので!!リクエスト大丈夫なら雲雀さんと夢主がクリスマスやお正月を一緒に過ごす話お願いします。今後も無理せず更新頑張って下さい。 (2018年12月22日 15時) (レス) id: 5216ee3091 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はるのかえる | 作成日時:2018年12月22日 14時