ノースキャンダル！ (ページ31)

今日:20 hit、昨日:18 hit、合計:576,191 hit

可愛い人2 ページ31

松村side

プライベートで連絡を取るようになってからは、俺の前でも少し気を抜いてくれるようになった。マスクを付けたまま飲み物を飲もうとしたり、ブランケットにくるまって眠ってることもある。

共演が決まった時は嬉しさと不安と怖さでどうしようかと思っていたけど、こんなに可愛い一面が知れただけで共演できて幸せだと今は思う。

勿論、カメラが回れば彼女はプロ。NGなんて出したのは見たことがない。
圧倒的な演技に俺も刺激を受けるし、何回見ても鳥肌が立つくらい凄い人なのには変わりない。

女優の城岩Aちゃんは俺にとってはまだまだ雲の上の人だし、恐れ多いことには変わりがない。
だけど、城岩Aちゃんという人間は、人間味がある、可愛らしい25歳の女の子。
あまり人に興味がない俺だけど、彼女からは目が離せないんだ。

『Aちゃん、ここ付いてる』

「えっ！わ！ほんとだ、恥ずかしい…」

『そういうとこ、本当に…』

「ん？」

『いや、何でもない。取れてるよ』

今、つい可愛いって言いそうになった。びっくりした。

良い時間になった頃、お店を出てタクシーを待つ。

「北斗くん、ここでいいよ？私待てるし」

『こんな時間に女性を一人で置いて帰るほど、俺は冷たくありません。俺が待ちたいから、大丈夫』

「優しいなぁ、、あ、そうだこれ」

Aちゃんから突然渡された紙袋

「CDとDVDのお礼もあるけど、いつも仲良くしてくれてありがとう」

『いいの？…こちらこそありがとう』

Aちゃんに開けてみて！と言われて開けると
シルバーの指輪が入っていた

「北斗くんよく指輪付けてるから、って思ったんだけど持ってるかな？」

『いや、持ってない。うわ、すっごいかっこいい！Aちゃんありがとう』

つけてた指輪は外して、Aちゃんからもらった指輪をつけてみる。

「喜んでもらえてよかった」

『めちゃくちゃ嬉しいよ。大切にするね』

わたしにも見せて、と指輪をつけた俺の手を取ったAちゃん

「やっぱり似合ってる」

俺のために選んでくれた事実が嬉しくてもう片方の手でAちゃんの手を包み込んだ

『本当に嬉しいよ』

あ、タクシーが来てしまった

『今日はありがとう。家に着いたら連絡してね。』

「こちらこそありがとう。北斗くんもね」

またね、とタクシーに乗る彼女を見送るつもりだったのに

『、北斗くん？どうしたの？』

「あ、いや…おやすみ」

彼女の手を掴んで引き止めようとしたのは何故？