可愛い人1 ページ30
松村side
「私のお気に入りはあの自撮り風の曲!」
『NEW WORLDね。YouTubeまで見てくれたの?』
「全部は見てないけど、あと動物園行くやつとかも見たよ」
『そういうのも見てくれたんだ。嬉しいけど恥ずかしいな…』
お察しの通り、俺の目の前にいるのは俺が尊敬する女優さん、城岩Aちゃん。
あの日連絡先を交換してからというもの、ほとんど毎日連絡を取ってたしドラマの撮影現場でも会うからなんかもうあの時の俺とAちゃんが懐かしく感じるくらい仲良くなった。
そんなAちゃんと、今日はなんとご飯に来ています。
嬉しいことに、SixTONESの曲を聞いてみたい!って言うから次の撮影の時に、CDやDVDを渡すつもりでいたんだけど連絡を取ってるうちに撮影外の、プライベートな時間に会うことになった。
「今のYouTubeってあんなに色々みれるんだね?!びっくりしちゃった」
『時代だよね。自粛期間で仕事できない期間はYouTubeなら配信はできるからファンも喜んでくれたし、ありがたかったよ。あ、これどうぞ』
と準備していたSixTONESのDVDとCDをAちゃんへ渡す。
「北斗くん、勿論ドラマの時もすごく、演技も自然だしすごいなぁって思うけどSixTONESの北斗くん見るとやっぱりアイドルなんだなぁって思ったよ。DVDもCDもすごく楽しみ!ありがとう」
めちゃくちゃ嬉しそうに受け取って、目をキラキラ輝かせながら袋をのぞいてる。すごく可愛い。
「感想の電話するね」
『いいの?』
「あらかじめ電話の予約ラインはするので」
『いつでもいいのに』
Aちゃんと仲良くなって一つ分かったことがある。
カメラの外ではとても可愛らしい人だということ。
俺が思ってた城岩Aは、常に完璧で雲の上の存在。俺なんかと話すことなんてないと思ってた。話しかけてくれてたのも仕事だから、俺がたまたまAちゃんの恋人役だから仕方なくなんだろうなあって。経験も、知識も全然違うし。
そう思ってたけど、同じ時間を過ごすことで沢山城岩Aちゃんそのものが見えてきた。
眠い時は眠いと言うし、よく食べるのにお腹がすぐすくし、お腹の音もなる。よく笑うし、意外と偏食でカフカさんに怒られて松下さんに慰めてもらってたり。
それを俺に見られるとものすごく恥ずかしそうにする。
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作者名:mayu | 作成日時:2021年2月21日 11時