Devil or Angel ページ23
山下side
深夜3時。
美しい真っ白な肌を晒して隣で寝ているのは城岩A
久しぶりに日本へ帰ることになって、すぐにAに連絡をした。いつも忙しい彼女を捕まえるのは至難の業だけど、今回はタイミングが良かったみたいだ。
Aと甘くて深い時間を過ごした後、少し眠ったけどまだ時差ボケもあり、俺は目が覚めた。
『これは誰からのだよ…』
彼女の胸元にある新しいキスマークに触れる。
勿論俺のではない、他の男のもの。
そういえば、彼女を初めて抱いた日も俺じゃない他の男のことで泣いてたっけ。
その日、俺は何も聞かずに彼女のAの弱さにつけこんだんだ。
大きな目、小さい顔、白い肌、薔薇のように綺麗な色をした唇、華奢な身体、甘い声、まるで天使だ。
好きになるのに時間はかからなかった。
ねえ A
愛してるよ。その声も、その髪も、その身体も、その顔も。全部愛してる。
本当は閉じ込めてしまいたいくらい好きなんだ、本人には言えない、言うつもりもない。俺はAがいればいい。いいんだ、これで。
「ともくん…、ないてるの?」
『悪い、起こした』
「ううん、大丈夫、ともくんが大丈夫じゃなさそう」
『俺は大丈夫。Aといる最高の時間なのに泣くわけないでしょ』
「確かに涙は出てないけど…」
『でしょ?大丈夫。』
「よしよししてあげる!!』
俺とした事が変な心配かけて悪いな、ごめん。
そんな気を吹き飛ばすかのように勢いよく起き上がって俺の頭をよしよししてくれてるA。あー多分、今服着てないの忘れてるな
「元気出た?」
『めちゃくちゃ元気。A元気ある?』
「え?」
『Aが元気にさせてくれたから、お返ししようと思って』
「ま、まって…ともくん、なんでおおきくなって」
『そんな可愛い姿でよしよしされたら、元気になるよ。』
「ちょっと、まっ…」
『待たない』
満更でもなさそうなAを押し倒し深く口付ける。
胸元のキスマークには気付かないフリをして。
きっと昨日も、そして明日には俺じゃない人といるんだろう。
だから今だけは、Aを感じて、俺でいっぱいにしたい。
それでもAが好きなんだ
こんなにAが好きだよ
俺たちしか知らない夜はまだ終わらない
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作者名:mayu | 作成日時:2021年2月21日 11時