ノースキャンダル！ (ページ11)

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これからも俺だけでページ11

神木side

食事の誘いも断って慌てて帰る今日。
こんなに家に帰るのが楽しみな理由はひとつだけ。

『ただいまー』

「りゅーちゃんおかえり！！！」

『A、まだ手洗ってないからさ』

「りゅーちゃんはいいの！」

帰ったと同時に抱きついてきた天使みたいにかわいいかわいいかわいい子、城岩A が待っていたから。

Aは、僕の彼女

ではありません。まだ、ね。

手洗い消毒を済まして、かわいいAのいるソファへ腰掛ける。

『A今日は珍しく早かったね。何の仕事だったの？』

「今日は午前中が雑誌で午後はドラマ！レッドアイズ！」

『そっか、お疲れ様。雑誌買わないとね』

「いいよ！りゅーちゃんにはあげてるじゃん！」

『それだと意味ないの』

「えっ意味わかんない！」

いちファンとして買いたいのと売り上げに貢献したい気持ちがあるから、いつもAから貰っても自分で買うんだけどAにはその行動がいつもわからないらしい。

「りゅーちゃんお腹すいた？ご飯作ったよ」

『すいた！！Aが来るってわかってからわざとお腹空かせてた』

「じゃあ食べよ！今日はお魚と肉じゃがとね～」
キッチンへ向かおうと立ち上がったAの腰を後ろから引き寄せると

「わっ！なにりゅーちゃん。甘えん坊？」

『甘えん坊はAでしょ。』

「もう！ご飯たべるよ！」
なんて言いながら振り向いて俺にぎゅーって抱きついてくるA

かわいいなぁ、

『A、すきだよ』

「りゅーちゃん、わたしも」

軽くちゅっとキスを落としてからAとキッチンへ向かう。

「今度こそ準備するからね！」とA的には強めに言ってるつもりなんだろう。かわいいだけだけど。

エプロンをつけ直すAを見ながら思うんだ、早く俺のものになってほしいなあ、なんて。

芸能界でノースキャンダル、清純派なんて謳われてる
城岩A

本当は甘えん坊で、弱くて、計算高くて、考えたくないけど男関係だってノースキャンダルとは程遠い。
それを知ってるのは、俺だけ。全部知ってるのは俺だけ。Aが自分をさらけ出せるのも俺だけ。

Aは自分のイメージにどれだけ苦しめられているだろう。裏でも気を抜けずにどれだけ精神がすり減っているんだろう。逃げ場でもいい、俺に頼って。

これからも全部俺だけでいい。

俺とAのすきの重みの違いには気付かないふりをして。