ノースキャンダル！ (ページ28)

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猫の日1 ページ28

佐藤side

「君がいなくなった日々も～このどうしようもない気だるさも～」

猫を歌いながら、俺の家の猫ぷちこちと遊んでるA
今日は猫の日だからたけちゃんち行く！って突然連絡が来た。特に今日は予定はなかったし、２つ返事を返して今に至る。

大体Aが来る時は、隆も一緒に来るんだけど

『今日隆いないの珍しいね』

「お仕事だって～終わったら来るって言ってたけどどうかな」

『そっか』

2人で過ごすのは久しぶりだな

相変わらずAは猫を歌ってる
歌うまいな～バレないように携帯の動画ボタンを押した。

「夕焼けが燃えてこの街ごと飲み込んでしまいそうな今日に」

「僕は君を手放してしまった」

歌詞は切ないけど、Aはぷちこちと猫じゃらしで遊びながら楽しそうに歌ってる。
これインスタにあげたら反響やばそうだな

さっきから一言も喋らない俺を不思議に思ったのかAがこっちを見た。あ、バレた？

「こら！たけちゃん！」

『ごめん、可愛かったからつい』

「たけちゃんも一緒に歌おうよ！」

『まさかのそっち？』

撮ったことに気付いてるみたいだけど、そんなことはどうでもいいらしい。

嬉しいことに昔から「たけちゃんの歌声好きなんだよね」ってAは言ってくれてた。

『君がいなくなった日々は面白いくらいつまらない』

「全力で忘れようとするけど」

「『全身で君を求めてる猫になったんだよな君は…』」

最後のフレーズのみ2人で歌って動画を止める。

「やっぱりたけちゃん歌上手！今度フルで猫歌ってよ！」

って俺に抱きついてきたAを受け止める。なかなかの勢いで後ろに倒れたから、押し倒されたみたいな体制。悪くないな

『いいよ。Aにもリクエスト考えとこうかな』

「何の曲？たけちゃんに聴かせる前に練習する」

飲み物でも取りに行こうと上半身を起こしたら、目の前にはAの顔
本人は俺がリクエストしそうな曲を携帯で探してるから下向いてて気付いてないけど。

「あっ、これとかたけちゃん好きそう！去年流行ったさあ」

そんな顔で、そんな声で名前を呼ばれて我慢できる男がいるだろうか。

あまりにも可愛くて、俺は