ナナジュウハチ ページ38
○NOside
「……傷痕、見せて」
来る時にすれ違った家入に、
��掌の切傷は完治したが、左掌と足首の敵にやられたところと胸の刺傷は閉じれはしたが痕が残ってる。ずっと残るだろうな��
とだけ聞いた五条は、未だに伏黒に対して不服そうな顔をしているAに向けてそう言った。
ちらりと見ると、Aの傷は、体力のお陰もあってか完全に閉じており勝手に包帯も外されているが、家入の言う通り傷痕がある。
五条はAの左手を持ち、掌を見て、痕を長い親指でするりと擦り優しく離す。
両足首にそっと触れ、痕を中指薬指小指の３本でゆっくり撫でてそのまま離す。
右手の人差し指で病院服の胸元に手をかけ、開き、痕をつーっと２回なぞって離す。
そして、Aの顔を天色の瞳でじっと見てにこりと笑い口を開いた。
「これで、もう、死ねないね」
『……？』
「位置、形、触り心地。全部覚えたから。死んだらわかるよ」
『…………怖、お前』
それまで自分の傷痕を触る五条を、何してんだ、くらいの気持ちで静かに見ていたAは、うげぇ、と引いたような顔をする。
しかし五条にそんなものは効かず、怖くて結構で〜す！なんて言ってにこにこと笑いながらAのことを勢いよく抱き締める。
『ぎゃ！』
Aはその勢いに耐えきれず２人はベッドに倒れた。
体は向き合い、顔も同じ位置にある。
２人が何秒か静かに表情もなく見つめ合うと、次はAが口を開いた。
『悟』
「ん？」
『さっき恵は、悟が私の過去の話をするからっていう理由で部屋から出てったんだけど。覚えてる？』
そう聞くAに一度優しく緩んだ目元と口元が強ばったように見えた。
「…………覚えてるよ」
『話さないの？』
「……話さなきゃとは、思ってるよ」
『本当は話したくないんでしょ？』
「…………」
Aには、五条が何かを恐れているように見えた。
全てを話すことで、Aの中で何かが悪い方向に変わってしまうことを危惧しているように見えた。
『ねぇ悟。ちゃんと聞いて、答えて』
「……うん、なぁに？」
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 786人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
檸檬ノ紅茶(プロフ) - カド松さん» ええええそれは嬉しすぎますありがとうございます(＞＜)(＞＜)(＞＜) (2021年5月18日 16時) (
レス) id: 699ad23d18 (このIDを非表示/違反報告)
檸檬ノ紅茶(プロフ) - 八守葵さん» ううう嬉しいです優しいお言葉ありがとうございます頑張ります(；；) (2021年5月18日 16時) (レス) id: 699ad23d18 (このIDを非表示/違反報告)
カド松(プロフ) - ヒロアカ知らないけど、この感じがドストライクなのでヒロアカ見てきます (2021年5月18日 5時) (レス) id: 8d052b9284 (このIDを非表示/違反報告)
八守葵(プロフ) - 初コメ失礼します！このお話に好みをドストレートに貫かれました！！超大好きです！無理しない程度に更新頑張ってください！応援してます！ (2021年5月18日 5時) (レス) id: e7d640d42f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：檸檬ノ紅茶 | 作成日時：2021年5月6日 21時
