ナナジュウロク ページ36
○NOside
「A。体、起こして。怒らないから顔見せて」
五条は顔まで布団を被ってしまったAにそう言うが、Aは少しぴくりと動いただけで顔を出そうとしない。
そんなAに五条は、全くもう仕方ないな、と呟いてそろりとベッドに近づき、
「コンニャロ！」
ﾊﾞｻｯ
『ぎゃあ！！！』
布団を思い切り捲った。
が、Aは一瞬驚いたと思ったら壁の方に体を向けて両手で顔を隠している。
伏黒は、何だそれ隠れてるつもりかよ……なんて呆れながら少し笑って呟く。
「も〜Aが悪いんだからね？」
五条は伏黒をちらりと見ながらそう言って、長い両腕を伸ばし、おりゃおりゃおりゃ！と丸まっているAの体を擽り始めた。
『ぎゃー！！やめっ、！んっくすぐっ、た、いぃ！あははは！！やぁあいひっ！ね"ぇ！！！ゴホッ！や"ああははは！！』
「ちょ、五条先生、やりすぎです」
「あ」
『ハァ、ハァ……ゴホッ』
五条は、笑いながら体を捩るAに楽しくなったのか、Aが咳き込むまで擽り続け、それまで冷たい目で見ていた伏黒に止められた。
今はごめんごめんと言いながら、ゼェゼェと息をしながらベッドに座るAの背中をその隣に座って摩っている。
伏黒は呆れながらベッドの横にある椅子に座る。
「A」
『……ん』
Aの呼吸も落ち着き、五条がサングラスを外し優しく名前を呼ぶとAは恐る恐る五条の目を見る。
「僕達雄英行ってきたんだ」
『……は？』
「１年Ａ組の子達と話した。爆豪くんと切島くんとは個人的に話したよ」
『………え』
「いい子たちだね、大切にしなよ？」
『…えぇ？？？』
急にそんなことを話し出す五条にAは戸惑う。
まさか雄英にまで行ったなんて。
「……死んでまで殺したかった相手には、何を言われたのかな？」
五条も伏黒も死のうとしたことへの怒りより、それが心配だった。
Aはギクリとして固まってしまっているが、瞳から動揺が読み取れる。
「…………言えない？」
優しく、それでいて哀しそうに聞く五条。
その様子にAの光のない目が潤む。
『………うん、…言えない……ごめん、ごめんなさい…っ』
「違うよA。謝ることじゃない」
『……ごめんね、悟…ごめんね……』
ぽろぽろと水を零しながら何度も謝る珍しい様子のAを五条はただ抱きしめた。
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檸檬ノ紅茶(プロフ) - カド松さん» ええええそれは嬉しすぎますありがとうございます(＞＜)(＞＜)(＞＜) (2021年5月18日 16時) (
レス) id: 699ad23d18 (このIDを非表示/違反報告)
檸檬ノ紅茶(プロフ) - 八守葵さん» ううう嬉しいです優しいお言葉ありがとうございます頑張ります(；；) (2021年5月18日 16時) (レス) id: 699ad23d18 (このIDを非表示/違反報告)
カド松(プロフ) - ヒロアカ知らないけど、この感じがドストライクなのでヒロアカ見てきます (2021年5月18日 5時) (レス) id: 8d052b9284 (このIDを非表示/違反報告)
八守葵(プロフ) - 初コメ失礼します！このお話に好みをドストレートに貫かれました！！超大好きです！無理しない程度に更新頑張ってください！応援してます！ (2021年5月18日 5時) (レス) id: e7d640d42f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：檸檬ノ紅茶 | 作成日時：2021年5月6日 21時
