幻獣と私 (ページ4)

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私と別れと里親とページ4

お父さんお母さんたぶん私もうちょっとで
そっちに行くかもしれません。

「でね、歌月ちゃん。」
こんなわけわかんない空気を破ってくれたのは
おばさんだった。
「この方たちがね、あなたの里親になってくれるそうなのよ」
え？この人たちが？
「だからね。歌月ちゃんも高校生だから自分のしたい様にしなさいね」
おばさんは優しいだからキツイことは言わない
だけど私も高校生だし。本当はもう自立しなきゃいけない。
「・・・・」
「・・・歌月ちゃん？」
この孤児院には私以外もいっぱいいるからな。
「私・・・お二人と一緒に行きます。」
「歌月ちゃん・・・」
おばさん、ほんと優しいな。
「おばさん今までお世話になりました。」
本当にありがとう。
私には親の記憶がないからおばさんがお母さんだよ。
「私、用意してきますね。学校には退学届をお願いします。」
そう言って自分から話を切り上げた。
鼻がツーンとした
＊＊＊＊＊＊＊
はぁ・・・
この孤児院とももうお別れか。
長いようで早かったな。
「歌月ちゃん、何も忘れ物はない？」グスッ
おばさんが震えた声で言った。
もう、本当に涙もろいんだから。
「大丈夫です。今までお世話になりました。」
大丈夫。最後くらい笑顔で出ていこう。
そう心の中で決めていた。
唇をギュっと噛み涙をこらえた。
「おばさん。今まで本当にお世話になりました。」
「おばさんは私のお母さんです。色んな優しさで包んでいただき。」
「本当に・・・・」
あ、
おばさんに最後の『ありがとう』を言おうと思った瞬間
目から一粒の涙が溢れた。
何かのカギが外れたみたいにドンドン出てくる。
「ほんとう・・・に・・あ・・りがとう・・グスッございました。」
そう言って私は人生のほとんどを共に過ごした
おばさん家友達と別れた。