星降る夜のスターチス【虎】

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こんなとこ、ケイに見られたら絶対怒られんな。







あ、でも彼氏の余裕で許してくれるかな。



ていうか、許せよ！もうケイのものなんだからさ。









Aちゃんと初めて会ったのは高校の時。





海斗んちに遊びに行ったら、突然Aちゃんが部屋に入ってきて、








「えっ海斗の彼女？」って聞いたら、








「違うわ！！」
『違います！！』と口を揃えてそう言った。









ぶっちゃけ、可愛い子だなーって普通に好みだったから、もっと仲良くなりたくて









「名前は？」




『…A、白川Aです』





「おお！A…可愛い！よろしく！」









そんなフランクな俺にAちゃんは顔真っ赤にしてたじたじで。俺、いけんじゃない？！って思って新しく始まる恋の予感にウキウキしてたのに









その後の海斗といったら、





バチくそに怒ってて、というかみるからに不機嫌になって。まじで怖かった。









そういうことね、そういうことなのね。







俺はまだ大丈夫。
まだ、海斗ほど本気になってないから。









それからというもの、今日までしっかり“Aちゃん”呼び









「ねえ、A」






『え？(笑)どうしたの急に』







「幸せになってね」








Aちゃんは、急に真面目なトーンで話す俺にはじめはびっくりしていたけれど、







『…ありがとう』






と、昔から変わらない無邪気な笑顔で返してくれた。









「………ばい元太パパからのお言葉でした！」




　


『元太パパ？私より年下なのに(笑)』






「まあ、ちっちゃいことは気にすんな！」









今、俺の手のなかにある温かみは全部ケイのもの。









俺に譲るなんて、ケイの頭には毛頭なかったよね。









絶対絶対、離すんじゃねえぞ！









幸せになれよ、ケイ。









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