星降る夜のスターチス【虎】

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「わー！大きな声出すなよ人くるから！」








『……海斗？』








松倉「うん、俺だよ」









『よ、よかったぁぁ死ぬかと思った…』








「あー…ごめんて。だってAが逃げちゃうから」









背後から追いかけてきていた人物の正体は、海斗だった。









でも、どうしてこの時間にここに？









『なんでここにいるの？車は？』









松倉「車はしめのやつ。貸してくれたから
　今日は仕事昼過ぎまでだったから、その後元太としめと出掛けた足でそのままここきた」







「ちゃかと会ってたんだからわかるでしょ」と。









『な、なるほど…』









分かったような、分からないような。
　







だって、こっちに帰ってくるのはわかるとして、なんでこんなにタイムリーに、しかもここにくるの？









家の前でたまたま会うとか、それなら分かるけど、









聞きたいことは沢山あったのに、









松倉「とりあえず、車の中入ろ」





『う、うん…』









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車内に入ると、男性ものの香水の香り。






あと少しだけ、嗅ぎ慣れた海斗の匂いがした。









松倉「ここにいるのもあれだし…適当に走っていい？」






『え、運転できるの？』






松倉「ば、ばか！この辺は土地勘あるから大丈夫だっつーの」









軽く頭を叩かれて「痛い」と声を出すと、
「大袈裟だよ」とハンドルを回してアクセルを踏んだ。









『アクセルの位置分かった？』





松倉「は？わかるわ！」






『へへ、ならよかった(笑)』









前に動画でアクセルとブレーキの位置が分からなくなっていたのを思い出して、






頭を叩かれたことのせめてもの抵抗に弄ってみる。






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