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宮近「あ、運転手さん、そこの海岸入るとこで下ろしてください!」
運転手「あれ、そこでいいの?はいよ。」
『え、ちゃかちゃん、なんでここ?』
宮近「んーいいから!』
車が停まったのは、うちの近所の見慣れた海岸だった。
とりあえず促されたままに車内から降りると、
私だけが外に出た状態で、何故かそのままドアが閉められた。
『ちゃかちゃんは?!降りないの?』
宮近「うん。俺は最寄り駅までこのまま行くから」
『うえええ?!私も行くよ?送る!』
宮近「いいって!大丈夫!
大丈夫だから…Aちゃんは頑張ってきて?」
『なにを?え、えー?!』
焦る私の嘆きは完全にスルーされて、車体がゆっくりと動き出した。
…おいていかれた?
私、ちゃかちゃんに何もお礼をしてない。
話し足りないことも沢山あった。
今日のお出かけのお会計だって、結局全部ちゃかちゃんが払ってくれた。
楽しかったよって。ありがとうって。
それだけじゃない、言わなきゃいけないこと、まだこれっぽっちも伝えてないのに。
『ここって、うちの近く…だよね?とりあえず歩いて…』
夜の海は嫌いじゃないけど、
夜の九時を回ったこの時間に一人というのは流石の自分も怖くて。
とりあえず音楽を流そうとイヤホンを耳に入れると、
目の前に一台の車が停まって、
バタンと誰かが運転席のドアを閉めた。
“………………え、誘拐?
高校時代の海斗ならわかるけど、私?!”
命の危険を感じて、
普段の自分からは考えられないくらいの速度で早歩きをしてとりあえずこの場を離れる。
正しくは“離れようとした”
でも、その人影は何故か後ろをつけてきて、
私が歩くスピードを早めるのに合わせて、歩を早めるものだから、怖くなって全力ダッシュを決める。
え、なんでぇ?なんで付いてくるの?!
『……こ、怖い………
海斗っ……なんでこういう時にいてくれないの……』
私死ぬのかな…このまま誘拐されて、東京湾?
あ、もうこの海で?
その瞬間
後ろの足音が近くなって、手首を掴まれた。
『きゃーーーーーーー!ふぅっ?!…………』
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めい(プロフ) - とまとさん» とまとさん、お久しぶりです!ありがとうございます…!!無事完結いたしました〜私もスターライト・ステージの続き楽しみにしていたので更新嬉しかったです(;o;) (2020年11月25日 20時) (レス) id: 3c4dbde637 (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - めいさん、コメント失礼致します!完結おめでとうございます!このお話も楽しく読ませていただきました!素敵なお話をありがとうございました^^ (2020年11月24日 18時) (レス) id: 8d82f4fe0c (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - なっちゃんさん» その設定はリアルに恋ですよね(TT)仕事関係!挑戦したいです!ちゃかちゃん落ちはですね、上手くかける自信がなくて…練習しなくては…!(笑)沢山コメントいただけて本当に嬉しかったです、改めてありがとうございます!!! (2020年11月18日 18時) (レス) id: e0fda82cdd (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん(プロフ) - 完結おめでとうございます!改めてコメントきました笑リアル設定だいすきなのでまた次回作も楽しみにしてます(^^)やっぱ自分の職場に仕事関係で〜とか想像しちゃいました!いつかは宮近落ちのお話も楽しみにしてます...!!めいさんの作品好きなので楽しみにしてます! (2020年11月18日 0時) (レス) id: 118865285e (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - なっちゃんさん» よかったぁぁ!!なっちゃんさんなら一安心です(?)笑本当にお幸せに………(*´-`)幸 (2020年11月17日 23時) (レス) id: e0fda82cdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めい | 作成日時:2020年11月4日 22時