星降る夜のスターチス【虎】

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最近は日が長くなってきたとはいえ、この時間になると辺りも薄暗くなってきた。









堤防に座って、地平線をぼんやりと眺めていると後ろから声が聞こえる。









宮近「Aちゃん！」







『…ちゃかちゃん？』








宮近「ごめん、さっき電話…」









『あ、ううん全然！気にしないで！』









額に汗をかいているちゃかちゃんは恐らくここまで走ってきたんだろう。息遣いも荒くて苦しそうで、









『あ、さっきコンビニでお茶買ってきたんだ。どうぞ！』









宮近「…ありがと』









とりあえず座って息を整えてもらう。









『走ってきてくれたの？』









宮近「うん。夜の海でひとりは、やっぱり怖いんじゃないかなって」









『ふふ、ありがと。そんなこと言ってくれるのはちゃかちゃんくらいだよ！』






宮近「え？」









『海斗なんて、「今日の夜あそこで待ち合わせな！」って。年頃の女の子どこ連れ回してんだって話だよね(笑)』









海斗も私も高校生だった時の話だ。









ほんとに、あんなピチピチの高校生を夜海に呼び出すなんて。









結局夜海斗が家まで迎えにきてくれて、一緒に行ったんだけれど。









あの頃の海斗は女の子よりも女の子みたいで、


どっちが女の子かわかんなかったかもしれない。









…考えたくはない。









『さー食べよ！沢山買ってきたから絶対お腹いっぱいになるよ(笑)』









宮近「…うん。ごめん、ちょっと冷めちゃってる」









『全然平気平気。いただきます！』






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