⚪︎ ページ6
「僕は、中学の頃から今までずっとAが好きです」
………。
ぼくは、ちゅうがくのころから、いままで、ずっと… Aが、すき、です、?
言葉を飲み込むのにかかった時間がとても長く思われた。何を言ってるんだこの人は。
「…これ夢かな」
頬をつねってみても痛いだけだった。
「割と僕のセリフだけどねそれ」
「え、未だによく分かってないんだけど、中学の時から両想いだったってこと?」
「らしいね」
「やば」
え、やばくない?長年の恋、実ってしまった。
心臓が今までに無いくらい早い鼓動を刻んでいるし、手も震える。
ざわくんの顔すら恥ずかしくて直視できない。
「さっきA、「文春撮られるならせめて恋人とにしてください」って言ったやん?」
「うん」
「だから僕には送られずに自分一人で帰るって言ってたやん」
「うん」
「もういいよね、送って行っても」
「うん、……うん!?」
完全に思考が停止した。
恋人と撮られてください=大丈夫
つまり…?
「私、恋人…?」
「うん、恋人」
「ええええ」
「さっきから目見開きすぎ」
「え、ありがとう恋人大好き」
「どういたしまして恋人」
そう言って車を発進したざわくん。
ざわくんの車の窓からさっき私が一人で通った道を眺めて、
過去の私に「今日だけじゃない、明日も明後日もその先もずーっと、いい一日になりそうだよ」と、
心の中で呟いた。
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作者名:鹿 | 作者ホームページ:https://twitter.com/puku__64?s=21
作成日時:2021年10月10日 21時