Gypsophila (ページ2)

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普段あまり人を家に招き入れないざわくんから家に招待してもらえたことはとても嬉しくて、
もしかしたらわんちゃんざわくんも私のこと…なんて思ってしまう。

私は単純な人間だから一度そう思ってしまうとざわくんの家へと足取りは軽くて、スキップでもしたくなるような気分だった。

でもそれと同時に微かな緊張もあって、最高に情緒不安定。

ざわくんに教えてもらったマンションに着いて、
ざわくんの部屋番号を押してインターホンを鳴らす。
それにしてもオシャレなマンションだな…。

しばらくするとざわくんの声がして、マンションの入口が開いた。

ざわくんの居る階までエレベーターで向かう中、
ざわくんへのプレゼントと、二人で食べる為のケーキが入った紙袋を強く握りしめた。

ついにその階に着き、ざわくんの住む部屋までたどり着く。

私は軽く深呼吸をして、覚悟を決めた。

ピーンポーン

｢おお〜A、久しぶり｣

約半年ぶりに会うざわくんは髪の毛が明るい色に染まっていて、何だか見る度に垢抜けているなぁなんて思った。

｢久しぶりざわくん｣
｢わざわざ来てくれてありがとうね｣
｢こちらこそ招待してもらえて嬉しいよ｣
｢さあさあ、入って入って｣

そう言ってざわくんは優しく笑った。
そんな表情、出来たんだ。

歳を取る程穏やかで魅力が増す人は、ざわくんくらいだろうな。
私がざわくんのこと好きだからそう思うだけなのかもしれないけど。

｢ねぇAまた痩せたでしょ｣
｢っえ！？何で｣
｢いや見るからにそうだもん、僕とAの体重反比例させようとしてる？｣
｢してないしてない｣

そう言って二人で笑い、この半年間の積もりに積もった話を始める。

割と長い期間、顔を突き合わせて話す機会が無かったけど、そんなのを全く感じさせないくらいにざわくんとの会話は楽しかった。
ずっとこの時間が続けばいいのに、とさえ思った。