鴉の学校と廃れた花園 (ページ31)

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『おう、起きたか』
芹「あ…？A…？」

怪訝そうな顔で見渡してああそうかと呟く

寝ぼけてんなこいつ
まあしっかり寝てくれてて安心した、色んな意味で

『コーヒー飲むか？』
芹「おう…」
『ライターは？』
芹「…」

頷きながら手でよこせと意思表示してくる
百獣の王が聞いて呆れるぜ
ほんと朝嫌いだなこいつ

『コンビニ寄ってから行こうぜ』
芹「どこにだよ…」
『学校に決まってんだろ、学生の本分だぞ』

返事しねーのは行きたくねーのか寝ぼけてんのかどっちだ

『なんならついてってやってもいんだぞー』
芹「ああ…」

笑わしてやろーと思ったのに思ってた反応と違う
だいぶ重症だなこいつ

『とりあえずさっさと着替えろ、行くぞ』

グズグズと動きだす多摩雄を他所に自分の準備をして、出る頃にはもう昼

学校なんか正直行かなくてもいんだけど暇だし高卒は取っとけって佐野さんに言われたからなるべく行くようにしてる

『夕方んなったら時生の見舞い行ってやろーぜ』
芹「そうだな」
『アスカにもいい加減ちゃんと説明してやんねーと』

時生が倒れた日、それだけ伝えて飛び出したから細かいことまでは話せてない
あたしが話すまで何も触れずにいてくれてるけどあいつだって心配してるはずだ

芹「連れてこいよ」
『そーだな』

適当にコンビニで買い物して分かれ道に差し掛かる
多摩雄は送ってってやるよって言ったけど騒ぎになるだけだから遠慮した

あいつ自分が誰だかわかってねーのかな
わざわざ注目集めたくねーよ