Jr.high 46 ページ42
『伊武崎くんて器用だね？』
すらすらとピアノを奏でる伊武崎に、Aは笑ってそう言った。
『教えたらすぐできちゃうんだもん。音楽の才能あるんじゃない？』
「それより料理の才能が欲しいけどな。」
『あはは、わたしはどっちも欲しい！』
ピアノに集中していた時は気がつかなかったが、伊武崎は間近にあるAの笑顔に胸が高鳴る。
それほど大きくないピアノの椅子に二人で座っているため、Aの息づかいが伝わってくる。
自分に聞こえるのだから、耳の良いAには高鳴る心臓の音まで聞こえてしまうのではないかと、伊武崎は気が気でなかった。
そして伊武崎は彼女の顔から視線を外す。
するとプレゼントだったルームウェアが目に入る。
「それ、着てるんだな。」
『うん！嬉しくてさっそく着てみました！』
「ふーん」
『あ、興味無さそう』
「いや、着替えたのもったいなかったなって。
さっきのドレス似合ってたし。」
『ほんと？伊武崎くんに誉めてもらえるなんて嬉しいなぁ。なかなか言葉にしてくれないし。』
「悪かったな」
『でもだからこそ、伊武崎くんの言葉って重みがあるよ。熱い男だもんね？伊武崎くん。』
「え？」
普段口数の少ない伊武崎は、周囲から冷めたヤツという印象を持たれることが多い。
しかし本当は、料理や仲間に対して人一倍熱心なのだ。
そんな自分を肯定された気がして、伊武崎は嬉しかった。
「俺、お前のこと、」
今日はAの特別な日。
手を伸ばさずとも触れられる距離にいる彼女。
一色に宣戦布告したように、想いを告げる覚悟はできている。
ならば告白するには絶好のチャンスだと、伊武崎は意を決する。
「俺は、」
その時だった。
彼を遮るように、Aの携帯に着信が入る。
ディスプレイを見ると、"創真"という文字が浮かんでいた。
「．．．」
伊武崎はそれに出るように促すと、Aは電話をとった。
『もしもし、創真？』
Aが話しているのを、少し離れた場所で聞いていた。
『ありがとう』
そして、この日一番の笑顔を見せるAを見て、伊武崎は思うのだった。
"創真って、本当に家族なんだよな？"
そんな疑念が頭をよぎる。
『ごめんね？さっき何か言おうとしたよね？』
「いや．．何でもない。遅いし、もう寝ようぜ？」
『ほんとだ、電話してる間に誕生日終わっちゃった。』
二人を繋ぐ、魔法の時間が儚く解ける。
たった一本の電話によって。
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篠。(プロフ) - マタタ火さん» マタタ火様、この件に関しては年齢の問題(R指定的な意味)もございますので、コメント欄では回答を控えさせて頂きます。どうしてもというのでれば、個人的にプロフィールからメッセージをお願い致します。 (2020年1月6日 20時) (
レス) id: 77342cf851 (このIDを非表示/違反報告)
マタタ火 - ねえ何を勘違いしたの？生で出すって本当はどういう意味？全然わかんないんだけど調べたら出てくる？ (2020年1月5日 12時) (レス) id: 917dfc6071 (このIDを非表示/違反報告)
篠。(プロフ) - タケタケさん» コメントありがとうございます！！嬉しいお言葉です〜( ≧∀≦)ノ (2019年8月18日 12時) (レス) id: 77342cf851 (このIDを非表示/違反報告)
タケタケ - つづきがきになる。 (2019年8月18日 8時) (レス) id: be34724f91 (このIDを非表示/違反報告)
篠。(プロフ) - 美咲さん» 美咲様☆コメントありがとうございます！アリスちゃんいいですよね！！早く登場させたいです〜(*^^*)これからも頑張ります！ (2019年3月11日 20時) (レス) id: 77342cf851 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：篠 | 作成日時：2018年5月17日 17時
