Jr.high 45 ページ40
朝から続いたAの誕生日会も終わり、はしゃぎ疲れた寮生たちは22時を過ぎた頃には皆眠りについていた。
そんな中、ある一室から優しいピアノの音色が響いている。
その音に誘われるようにやって来た伊武崎は、ピアノを弾いているAを静かに見つめていた。
ふみ緒「おや、今日もやってるね。」
そこにふみ緒もやって来た。
ふみ緒「まぁたまには弾いてやらないとピアノももったいないかね。」
そう笑うふみ緒に、伊武崎は尋ねた。
峻「そもそも、どうして寮にピアノなんてあるんですか？」
ふみ緒「極星黄金時代の名残さ。その時も、Aのように音楽を好きな子がいてね。食戟でこのグランドピアノを手にいれたのさ。あの子もずいぶんと変わり者だったよ。」
峻「料理も上手かったんですか？」
ふみ緒「そりゃそうさ、遠月十傑第二席だったからね。
一ノ宮雫。
Aの母親さ。」
峻「え？」
初めて知る事実に伊武崎は驚いた。
ふみ緒「あの子がこの寮にやって来たとき、そっくりな顔してるからまさかとは思っていたけどね。
真っ先にピアノを見つけて、嬉しそうに弾いてるのを見て確信したよ。」
峻「でもAは確か、」
彼女は父親と兄の三人暮らしだと言っていた。
それを思い出した伊武崎は言葉を詰まらせる。
すると突然、ピアノの音がとまった。
Aが二人に気がつき、こちらに近づいて来たようだ。
『ふたりも弾いていきますか？』
ふみ緒「遠慮しておくよ。物好きだねと話していたところさ。」
『せっかく母が勝ち取ったピアノですからね？』
ふみ緒「ああ、雫も喜んでるだろうね。」
嬉しそうに母親のことを語るAに伊武崎が目を奪われていると、彼女の視線が不意にこちらを捕らえてドキっとした。
『伊武崎くんは？』
「俺は．．」
一緒に弾いてみようと言うAに、伊武崎はいつもだったらすぐに断ってしまう。
しかし何故か、今日は付き合ってみようかと思った。
峻「．．少しだけな。」
ふみ緒「おや、珍しいね？」
峻「料理人として、指先の訓練くらいにはなるだろうから。」
『なるなる！』
そんな言い訳をする伊武崎を満面の笑みで引っ張っていくA。
そんな二人にふみ緒は若いねぇと呟くと、二人を残して部屋を出ていった。
そしてふみ緒は、二人のいる部屋へと向かう一色を見つけると、
「今日くらい、邪魔しないでおやり？」
とニヤリと笑った。
一色は苦笑しつつも、はいと頷くのだった。
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篠。(プロフ) - マタタ火さん» マタタ火様、この件に関しては年齢の問題(R指定的な意味)もございますので、コメント欄では回答を控えさせて頂きます。どうしてもというのでれば、個人的にプロフィールからメッセージをお願い致します。 (2020年1月6日 20時) (
レス) id: 77342cf851 (このIDを非表示/違反報告)
マタタ火 - ねえ何を勘違いしたの？生で出すって本当はどういう意味？全然わかんないんだけど調べたら出てくる？ (2020年1月5日 12時) (レス) id: 917dfc6071 (このIDを非表示/違反報告)
篠。(プロフ) - タケタケさん» コメントありがとうございます！！嬉しいお言葉です〜( ≧∀≦)ノ (2019年8月18日 12時) (レス) id: 77342cf851 (このIDを非表示/違反報告)
タケタケ - つづきがきになる。 (2019年8月18日 8時) (レス) id: be34724f91 (このIDを非表示/違反報告)
篠。(プロフ) - 美咲さん» 美咲様☆コメントありがとうございます！アリスちゃんいいですよね！！早く登場させたいです〜(*^^*)これからも頑張ります！ (2019年3月11日 20時) (レス) id: 77342cf851 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：篠 | 作成日時：2018年5月17日 17時
