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研修も今日を入れてあと2日。
創真とAは、日に日に進化していった。
物凄い勢いで、あらゆる技術を吸収しているのであった。
「……ユキヒ」
「…次、8番卓の魚料理ですよね。下処理、済んでます!」
そしてこの日、ついにリュシが指示を出す前に先の行動をとれた創真。
「
それからは、初日とは比べ物にならない程に颯爽とサポートをこなす二人。
「カサゴのアビエ終わりました!チェックお願いしやす!」
『エシャロットのシズレ、チェックを!』
「…いいヨ。大丈夫!次、1番卓ヨロシク!」
へこたれている暇なんて一秒もない。
彼らにとって、新しい技をモノに出来るのが、おもしろくして仕方ないのだ。
「4番卓!食事ペース早いです!スープはまだですか!?」
「アベル動けるか?」
「……すみません!今手が離せません!」
「こっちも手イッパイ!」
そんな中、チャンスは突然訪れた。
「下処理、出来てます」
『こちらも食材の準備完了です!』
「……幸平、一ノ宮、レシピは頭に入ってるな?」
その四宮の問い掛けに、二人は大きく頷く。
「そのまま最後まで仕上げろ。」
『「はい!!」』
手が空かないシェフたちに代わって、初めて最後まで調理を任された。
こうしてようやく、二人はこの厨房の主戦力となったのだった。
「お疲れっしたぁ〜」
やがて営業時間が終了し、最後のお客さんが帰っていった。
「一息ついてる場合じゃねぇだろ。これからが本当の勝負なんだぜ?明日…最終日も、抜かるんじゃねぇぞ?」
『はいっ!』
「……勿論す!」
「やるじゃん二人トモ〜!」
和気藹々と話す皆を、アベルは複雑そうな顔で見ていた。
そんな彼に四宮が問いかける。
「アベル!二人を残すことに、異論はあるか?」
「……いいえ、ま、及第点ってところですかね…」
するとアベルは、渋々ながらも同意した。
何だかんだで二人を認めているのだ。
「一時はどうなるかと思いましたよ。何の助言もないんですもの!」
そんな中、唯がホッとしたように四宮に話かけた。
「自分で乗り越えられなきゃ意味ねぇだろ…」
四宮はそう答えると、リュシたちと笑い合う創真とAに目を向けた。
"それに、地獄の合宿のあの日…
この俺に喧嘩を売った奴等なんだ。
スタジエなんかで終わる料理人じゃあないだろ?
幸平…そして、A…"
そう心の中で呟きながら、四宮は少しだけ笑顔を浮かべるのであった。
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篠。(プロフ) - ゆかりさん» タクミくんもカッコいいですよね〜(*´ー`*)後に活躍してもらいますね!!笑 (2019年9月17日 15時) (レス) id: 77342cf851 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 篠。さん» タクミくんとの絡みもきになるところです! (2019年9月16日 22時) (レス) id: 9654438337 (このIDを非表示/違反報告)
篠。(プロフ) - ゆかりさん» これからオリジナル要素が濃くなるので、原作と流れは同じですが、表現の方法や原作に描かれていない場面の設定などによって、見え方が変わってくると思います!楽しんでいただけると嬉しいです(*´・∀・`*) (2019年9月14日 19時) (レス) id: 77342cf851 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 原作と少し違うのが良いです! (2019年9月13日 22時) (レス) id: 9654438337 (このIDを非表示/違反報告)
篠。(プロフ) - ゆかりさん» ふふ、気合い入れて頑張りまーす(* ̄ー ̄) (2019年9月8日 22時) (レス) id: 77342cf851 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:篠 | 作成日時:2019年6月15日 23時