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「………雫…」
『……え？』
重苦しい雰囲気の中に響いたのは、その空気を造り出した張本人である薊の声だった。
やがて彼はハッ我に返り、穏やかな笑顔を浮かべて訂正をした。
「いや、すまない。あまりにも似ていたものだから…
君は彼女の娘の、一ノ宮Aちゃん…だったね？」
『…は、はい！そうですけど…』
その時、Aは薊を見てあることを思い出していた。
『あの……以前、お会いしたことありますよね…？』
そんなAの問いかけに、薊よりも先に創真が口を開いた。
「俺も覚えてるぜ？昔、親父に薙切の屋敷に連れてきてもらった時に会ったおっさんだろ？
Aにやたら興味持ってたから覚えてるぜ？」
「……ああ、そうだったかな？」
そう答えた薊の表情は、先程までAに向けられていたものとは一変し、明らかな敵意を孕んでいた。
一方で、周囲にいる美食家たちは、懐かしい名前にざわついていた。
「一ノ宮雫！！」
「十傑第２席で遠月を卒業後、忽然と姿を消したあの伝説の料理人の…」
「娘だったか、確かに顔立ちがそっくりだ！」
「…興が削がれた」
そんな彼らの声が気に障ったのか、薊はため息と共に店の外へと去っていった。
「何だ…？誰なんだあの黒紳士は？」
その後ろ姿に創真が呟くと、緋沙子が冷静に答えてくれた。
「薙切薊、えりな様の…お父上だ……」
『……え？』
その時、Aは"薊"という名に混乱を見せた。
母の日記のどのページにも登場した、"薊くん"という人物。
彼は同じ極星寮の仲間で、城一郎や堂島に次ぐ料理の腕の持ち主だった。
そして料理のみならず、バイオリンも得意で、時間を見つけては雫と共に音楽を奏でていたらしい。
そんな優しく前向きで、賢い好青年として描かれている、同級生の"薊くん"。
その"薊くん"こと"中村薊"こそが、Aの本当の父親であると、そこに記されていた。
自分の父である中村薊
えりなの父である薙切薊
母の愛していた薊くん
母のことを知っていた薊さん
その二人の"薊"という存在は、果たして同一人物なのだろうか、それとも名前が同じだけの別人か…
そもそも、どうして母は"薊くん"ではなく、
そんな処理しきれない感情が、Aの脳内でぐるぐる混ざり合う。
『…貴方は誰……？』
しかしこの後、更なる衝撃を受けることとなる。
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篠。(プロフ) - ゆかりさん» タクミくんもカッコいいですよね〜(*´ー｀*)後に活躍してもらいますね！！笑 (2019年9月17日 15時) (
レス) id: 77342cf851 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 篠。さん» タクミくんとの絡みもきになるところです！ (2019年9月16日 22時) (レス) id: 9654438337 (このIDを非表示/違反報告)
篠。(プロフ) - ゆかりさん» これからオリジナル要素が濃くなるので、原作と流れは同じですが、表現の方法や原作に描かれていない場面の設定などによって、見え方が変わってくると思います！楽しんでいただけると嬉しいです(*´・∀・｀*) (2019年9月14日 19時) (レス) id: 77342cf851 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 原作と少し違うのが良いです！ (2019年9月13日 22時) (レス) id: 9654438337 (このIDを非表示/違反報告)
篠。(プロフ) - ゆかりさん» ふふ、気合い入れて頑張りまーす(*￣ー￣) (2019年9月8日 22時) (レス) id: 77342cf851 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：篠 | 作成日時：2019年6月15日 23時
