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その後も客は増えに増え、4人の力をもってしても限界を感じ始めてきた。
「へいへいへいどうした大丈夫ぅ?じわじわ追っつかなくなってきてるじゃん?」
するとすかさず久我の野次が飛んでくる。
「…さすがにキツくなってきたな…」
「だが、ここでペース落としたら中華研に一気に差をつけられるぜェ?!」
そんな厨房の人手の足りなさを見かねたAは、いてもたってもいられず声を上げる。
『…っ、恵!一瞬、接客任せていい?!わたしが胡椒餅をっ』
「ばっきゃろー!Aちゃんがっ…いや、Aが客から離れたら勝てるもんも勝てねぇだろ!」
するとその時、頼もしい声と共に救世主が現れた。
「Aは接客に専念しな。胡椒餅は……あたしが焼く!!」
『にくみちゃんっ!!』
「にくみ!サンキューな!!」
「うおっほん!苦戦してるようだな!見ていられないぞっ」
そして、更なる仲間が登場した。
「あ、創真くんここのコンロ借りていい?麺茹でボクがやるよー」
「マジ助かるわ!」
やって来たのはタクミとイサミ。
二人もすぐさま調理に取りかかり、即戦力となってくれた。
「……いいか幸平。キミが勝手に挑んだ勝負に、Aを巻き込んでいるんだ。何も出来ずおめおめと敗戦なんて許さないぞ!」
「…おうっ!!今からラストスパートだぜタクミ!ついてこれっかぁ?!」
「愚問だな!」
小さな屋台から聞こえてくる仲間たちの声。
その強気ながらも暖かい声を聞いて、Aは周囲をぐるっと見渡してみた。
するとそこには、沢山の笑顔が溢れていた。
『…いいお店になったね?』
この素敵な店を、創真たちは4日かけて今ようやく完成させたのだ。
「今日の売上げ集計まであと1時間…!気合入れろ!!」
『「おぉお!!」』
こうして彼らは、最後の最後まで客を絶やす事なく、怒濤の勢いで久我飯店に迫っていった。
そして迎えた、運命の売上げランキング発表の刻。
「続いて中央エリアの売上げ順位です。
第3位はスペイン料理研究会」
それをAは祈る思いで聞いている。
「第2位……
中華料理研究会"久我飯店"!」
「っ!」
ここで名を呼ばれ、久我は悔しさのあまり拳を握り締めた。
「ゆぎひらぢん……!!!」
そして
「第1位……幸平創真の中華屋台!」
『!!』
「おそまーつ!!!」
こうしてついに、久我飯店を破った創真たち。
この瞬間、創真たちは喜びを噛み締めハイタッチを交わした。
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篠。(プロフ) - ゆかりさん» タクミくんもカッコいいですよね〜(*´ー`*)後に活躍してもらいますね!!笑 (2019年9月17日 15時) (レス) id: 77342cf851 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 篠。さん» タクミくんとの絡みもきになるところです! (2019年9月16日 22時) (レス) id: 9654438337 (このIDを非表示/違反報告)
篠。(プロフ) - ゆかりさん» これからオリジナル要素が濃くなるので、原作と流れは同じですが、表現の方法や原作に描かれていない場面の設定などによって、見え方が変わってくると思います!楽しんでいただけると嬉しいです(*´・∀・`*) (2019年9月14日 19時) (レス) id: 77342cf851 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 原作と少し違うのが良いです! (2019年9月13日 22時) (レス) id: 9654438337 (このIDを非表示/違反報告)
篠。(プロフ) - ゆかりさん» ふふ、気合い入れて頑張りまーす(* ̄ー ̄) (2019年9月8日 22時) (レス) id: 77342cf851 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:篠 | 作成日時:2019年6月15日 23時