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「へぇ、そんなにお得なんすか十傑って?」
久我は十傑について散々語ったのだが、残念ながら創真にはピンと来ていないようだ。
「"お得"って言葉のチョイスの時点で、無理解がひしひし伝わってくんだけどー!
十傑ってのは!学園が持つありとあらゆる権限や財力…その一部を手中にしてる存在なんだよ!!」
久我の言う通り、十傑となれば遠月の莫大な予算を好きなだけ使え、食材、調理器具、設備など、望むものが全て手に入る。
研鑽の為なら何でも許されるのだ。
「この学校では、"料理が全て"だからね。」
「短すぎる人生に対して…料理というのはあまりにも深く広い…」
すると、久我の援護をするかのように、一色と司も"十傑の重み"について説いていった。
「一生かけて歩き続けたところでとても極められない。だが…十傑になればその歩みを大幅に早められる。
力ある者にあらん限りの権限と財を与えるのが遠月…
そして、全てを与えられるのが十傑評議会。
十傑とそれ以外の料理人には、絶対的な力の差があるんだよ…
これは事実だ。」
そう淡々と語る司の言葉に、創真たちの闘志がひしひしと燃えてゆく。
「うん!兎に角そういう事なのよ!何となーく分かったと思うけど、本気の本気で眼中にないからさ、君達の事。
まぁ…何か一つでも俺に料理で勝ってるものがあるなら、食戟受けてやってもいいかな?」
「…今の話はホントっすか久我先輩?」
「ホントホントー!トラストミー!」
『わたし身長なら勝てまーす!』
「料理でって言ってんだろコラァア!!」
久我はその聞き捨てなら無い発言に全力で振り向くと、そこにはハイテンションで手を挙げる意外な人物がいた。
「え……Aちん…?」
そんな普段のAからは想像もつかない発言に、一体何事かと驚かされる一同。
だがその時、一色はあることに気が付いた。
「茜ヶ久保先輩、先程のスイーツについてなのですが…
お酒を使用されていませんか?」
そしてその一色の問い掛けに、創真たちにも嫌な予感が頭をよぎる。
「「ま、まさかっ…」」
「…中のソースに、香り付け程度にバーボンウィスキーを使ってるけど…?」
そしてどうやら、その予感は的中してしまったらしい。
「ウィスキーって…洋酒だよな!?」
「あわわ、どうしようっ」
「Aちんしっかり?!」
「とりあえず、ウィスキーではどんな属性になるのか様子を…」
こうして、一同の緊張した視線がAに集まった。
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篠。(プロフ) - ゆかりさん» タクミくんもカッコいいですよね〜(*´ー`*)後に活躍してもらいますね!!笑 (2019年9月17日 15時) (レス) id: 77342cf851 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 篠。さん» タクミくんとの絡みもきになるところです! (2019年9月16日 22時) (レス) id: 9654438337 (このIDを非表示/違反報告)
篠。(プロフ) - ゆかりさん» これからオリジナル要素が濃くなるので、原作と流れは同じですが、表現の方法や原作に描かれていない場面の設定などによって、見え方が変わってくると思います!楽しんでいただけると嬉しいです(*´・∀・`*) (2019年9月14日 19時) (レス) id: 77342cf851 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 原作と少し違うのが良いです! (2019年9月13日 22時) (レス) id: 9654438337 (このIDを非表示/違反報告)
篠。(プロフ) - ゆかりさん» ふふ、気合い入れて頑張りまーす(* ̄ー ̄) (2019年9月8日 22時) (レス) id: 77342cf851 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:篠 | 作成日時:2019年6月15日 23時