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15-11 ページ27

ついに迎えた学園祭初日。


Aたちが開会式の会場に着くと、そこにはお馴染みのメンバーが揃っていた。
するとアリスが真っ先に話しかけてきた。


「幸平クン!A!準備の方は万全かしら?」

「まぁ、とりあえずはなー」

「そう、よかった♪私たちも目抜通りエリアで出店するのよ♪」

『私たちって?』


そんな彼女の話によると、アリス、黒木場、葉山という異色の3人組で模擬店を出すらしい。

また、タクミとイサミもクラスの皆と"出張版 トラットリア・アルディーニ"を出店するそうだ。


「Aたちも中央エリアで頑張ってね!ホラ、噂をすれば…」


そう言うアリスの視線を辿ると、そこには余裕の笑みを浮かべる久我の姿があった。


「『…久我先輩』」


そして久我は、隣にいる司に何やら声をかけている。


「司さん…ちゃんと守ってよね?あの約束…」

「……」


「時は来た!今ここに、月饗祭の開幕を宣言する!」


そんな中、総帥の合図によって月饗祭が幕を上げた。
そして沸き起こる大歓声と共に、生徒たちは一斉に門を駆けていった。




こうして始まった月饗祭。


創真たちの小さな屋台の目の前には、豪華絢爛な久我飯店がそびえ立つ。
それに負けじと意気込んでいると、さっそくお客さんがやって来た。


「お!胡椒餅だ!」

その声を皮切りに、ちらほらと人が集まり始める。


「お!ここだ!幸平創真の店!」

「へぇー!選抜決勝に出た生徒かぁ!」


そして石釜の物珍しさも合間って、順調な滑り出しをみせる創真の屋台。



「確かに胡椒餅は良い狙いだと思うよ正直」


「『!?』」


しかし、いつの間にかAの隣にやってきた久我はこう呟いた。


「同じ中華ってジャンルでありながら、俺が得意とする四川料理との違いも出せるしね。

だけどさ…

これは料理を必ず食べてもらえる食戟とは違う。客の口に入らなければ何の意味もないんだよねぇ?」

『……っ』


その言葉通り、屋台に集まっていた客は次々に久我の店へと吸い込まれてしまった。


「力ある者のところにしか客は来ない。当然っしょ?」


こうしてあっという間に1日目が終了した。


「いちまーい…にまーい……たくさーん!」


創真の売上を数えながら、久我は満面の笑顔を浮かべる。

「わぁっ!凄いや、こんなに!お客さんいっぱい来てくれてさ!先輩として俺も嬉しいよ!遠月の未来は明るいなあっ!」


そう言う久我の店には、山のように積み上げられた食券の束が存在した。

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篠。(プロフ) - ゆかりさん» タクミくんもカッコいいですよね〜(*´ー`*)後に活躍してもらいますね!!笑 (2019年9月17日 15時) (レス) id: 77342cf851 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 篠。さん» タクミくんとの絡みもきになるところです! (2019年9月16日 22時) (レス) id: 9654438337 (このIDを非表示/違反報告)
篠。(プロフ) - ゆかりさん» これからオリジナル要素が濃くなるので、原作と流れは同じですが、表現の方法や原作に描かれていない場面の設定などによって、見え方が変わってくると思います!楽しんでいただけると嬉しいです(*´・∀・`*) (2019年9月14日 19時) (レス) id: 77342cf851 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 原作と少し違うのが良いです! (2019年9月13日 22時) (レス) id: 9654438337 (このIDを非表示/違反報告)
篠。(プロフ) - ゆかりさん» ふふ、気合い入れて頑張りまーす(* ̄ー ̄) (2019年9月8日 22時) (レス) id: 77342cf851 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年6月15日 23時

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