ふかさわくん２【紫】

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熱くなった体にかき氷の冷たさはちょうど良くて、少しだけ涼しくなったように感じる。



「やっぱりかき氷はブルーハワイだべ」

「イチゴも美味しいよ？」

「てか、あれでしょ。シロップって味一緒なんだっけ」

「なんか聞いたことあるそれ」




ちゃんとイチゴ味なんだけどなぁこれ。

溶けてしまったかき氷を一口すくって食べると広がるのはやっぱりイチゴ味。




「食べ比べたことある？」

「んーん。でも、イチゴ味だよ？」

「確かめる？」




差し出されたのはブルーハワイ味のかき氷がのったストローのスプーン。

なんのためらいもなく差し出されたそれに、少し戸惑いながらも食べると、やっぱりふわりと広がるのはブルーハワイの味。




「いっしょ？」

「…ブルーハワイの味した」

「まじ？」




同じはずだべ、とブルーハワイのかき氷をぱくりと食べる深澤くん。

そして、わたしの方を見るからイチゴ味を差し出せばそれもぱくりと食べた。




「んー、やっぱイチゴとブルーハワイなんだよなぁ」




全然一緒じゃねーもん、と口を尖らせる深澤くんがなんか可愛くて笑うとなんだよって次は恥ずかしそうな表情。


さっきまでほとんど話さず、気まずかったのが嘘みたいに楽しくてみんながいるところまで着くのはあっという間だった。



みんなの姿が見えてきて、向こうも気づいてくれてジェシーくんのAって呼ぶ大きな声が聞こえる。


はやくはやく、と急かしてくるから急ごうとすると砂に足をもってかれちゃってぐらりとよろける体。




「あっぶねぇ…気をつけなさい？」




深澤くんがわたしの腕を掴んで引き寄せてくれたおかげで、転ばずにすんだけど近くなった距離にドキドキと胸が音を立てる。


一気に熱くなった頬がバレないように、みんなの元に向かえばその一連の出来事を見ていたのか照くんと美勇人くんがよかったねとニヤニヤしながら出迎えられたのは言うまでもない。

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