ふかさわくん２【紫】

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戻ってくると海で遊んでた深澤くんがタオルで頭を拭きながらわたしと照くんをちらっと横目で見た。

照くんがさっきまで深澤くんの名前をずっと出してたから、変に意識してしまう。


一瞬目があった気がしたけど、すぐに逸れてしょっぴーたちと話している。


あれ、と思ったけど特に気にとめることなくわたしもハルたちと話していた。




いつまでたっても疲れを知らないしんちゃんとジェシーくんに連れられ、浅瀬での水かけ合戦に無理やり参加させられてびしょびしょ。


水着の上に着てたTシャツも絞れちゃうくらい濡れちゃったし、脱いじゃおうかな。

濡れちゃった前髪をなおしながらそう思ってると、かき氷を持った人が目に入る。




「かき氷あるの？」

「向こうにあるみたいだけど」

「えー、食べたいなぁ」




美勇人くんからタオルを受け取ってそんな会話をしていたら、近くにいた照くんがまたひとりで行くつもり？ってちょっと怖い顔。

さすがに二回目は怒られちゃいそうだから、誰かかき氷食べたい人いないか探そうと思っていると照くんと美勇人くんがニヤリと嫌な笑みを浮かべている。




「ふっか、こいつかき氷食べたいらしいんだけどついて行ってやってくんね？」

「ちょ、照くん？」

「おれぇ？別にいいけど」

「え、」




予想外の返事に戸惑いが隠せない。

照くんと美勇人くんは相変わらずニヤニヤしてるしなんなの？どこまで世話焼きなの？




「つーかAちゃんびしょびしょじゃん」

「あ、そうなんだよね。もう脱いじゃおうと思って」

「……いや、それはダメだな。これ着ときな」




難しい顔でそう言い、なぜか深澤くんの着ていたパーカーを渡される。

なんでと深澤くんを見るといいから着替えておいでと言われ、お言葉に甘えてパーカーを羽織らせてもらう。



そして、わたしがパーカーを着たのを確認するとやっぱりでけぇなと余ったパーカーの袖をつかんでふわりと笑った。

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